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東京

東京、という街が好きです。
私は庭にうずくまって土をいじってるのが好きだし、うるさいのは嫌いだし、人が多いのも苦手、だから、行ってみるまで東京は自分には全然向いていないところだと思っていました。

けど、なんだろうなあ、あのスコンとぬけるような空。
ビルの間から見る空が狭いなんて言ったのは誰だったろうか?
何もかものスケールが大きい。
手入れされた緑がきれい。
降りる駅ごとに空気が違う。

人の気配が息苦しくて、避けるように生きていた自分も、新宿の人垣に飲まれながら歩いていると、尾びれのついた魚みたいな気持ちになって、むしろすいすいと体が動いて行きます。

人の緩やかな流れ。
意味をもたない群れ。
ああ、ほんとは人恋しいんだな、と思う。
そんな自分に程よい、距離感なんだろう。

都会は心理学的には森だ、と聞いたことがあります。
身を隠す場所がある。と。

東京。
恋しいとさえ思うときがあります。

去年の台風のとき、娘の身を案じて色々調べるうちに、東京の治水の行き届いていることに驚いたことがあります。
あの、賢さ。

くだらない喧騒と、人がいても冷たい世間と、
ビル風と、よく止まる電車。

綺麗事だけではもちろん語れない。

でも、
あの、コーヒーを横においてみんながパソコンを開いてその向こうの世界にむきあっている、不思議なカフェの雰囲気や。

嫌に人馴れした雀の群れや。

路地裏の椿。

きっと、大丈夫だ、東京。
お前は賢いしタフだ。
何もできないが、祈る。


愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!