【詩】ここにいるために
青空、空に浮かぶ雲、押し流すような強い風
重たそうな雲がどっこらしょと進んでく
風に押されるがまま
気の向くままには流れない
のんきそうに見えてものんきじゃない
もしかしたら強い風に抗っているかもしれない
雨を、雹を、雪を降らせる
雷を放ち、大きな音を立る
地面をえぐることもある
どこにも行きたくない雲もいるかもしれない
好きで風に吹かれているわけではない雲もいるかもしれない
ここを離れたくないから
ここに残りたいから
大きな音をたてて報せる
たくさんの雨粒を降らせる
ひとときでいいから自分を残す
「ここにいたい」
誰かに気づいてほしくて
誰かと交流したくて
誰かと想いを重ねたくて
ひとときだけ
ここに残る
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