【詩】ハロウィーンで誰かと一緒
暗い夜、明かりを灯したランタンを手にして歩く子供たち。
「トリック・オア・トリート」
にぎやかな子供たちの声にまぎれて、何かがまざっているかもしれません。
だって誰もがかぶりものをかぶり、誰もが仮装をして、誰もがいつもと違います。
隣にいるのは本当に友達の彼かしら。
前を歩くのは本当に知り合いのお姉ちゃんかしら。
「トリック・オア・トリート」
誰か知らない声がまざってないかしら。
お菓子を上げる方も気をつけて。
町の子供たちにちゃんと準備したはずなのに、なぜか足りないということはないかしら。
「トリック・オア・トリート」
もらったお菓子は山のよう。
あとで友達とみせっこしよう。
あとで家族に分けてあげよう。
家でお留守番の小さな妹に食べさせてあげよう。
わんわんわん!
扉を開けたらマルチーズのリリーがとびだして、真っ暗で誰もいない闇夜に吠え始めました。
一体だれに吠えてるの?
にゃーん、にゃーん、にゃーおう。
家の奥、クッションの上で静かに寝ていた猫のイーリンが鳴き始めます。
まるでだれかとお話しているみたい。
一体だれと話してるの?
わからない。わからない。ちっともわからない。
扉をしめたら今年のハロウィンはおしまい。
イーリンは鳴きやんで大人しくなり、リリーは尻尾をふってすり寄ってきます。
あとで紅茶をいれてお菓子を食べよう。
甘い甘いハロウィンのお菓子。
みんなみんな、おいしく食べてるかしら?
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ハロウィンは10月31日。まだ早いですが(汗)
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