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「謝るなら最初からやるな」←なんだこれ

大人が子どもを叱るときのセリフで
いちばん意味がわからなかったのが

「謝るなら最初からやるな」である

親に言われても
先生に言われても

全く理解できなかった

「悪いことをしたら謝れ」

これはわかる

大いに賛成である

しかし、

「最初からやるな」

と言われても、

こちらも謝りたくて
悪いことをしたわけではないのだ

「はーい注目!
ぼく今から、
あとで謝りたいから
悪いことしちゃうぞー」

こんなの

激レアさんを連れてきた
でも聞いたことがない

もちろん、
いたずら心や好奇心はあったのだろう

大人になっても
いたずら心や好奇心はなくならない

まして子どもなら

やってみたいことなんて
星の数ほど思いつくし、

思いついてしまったものは
やってみたいのだ

今日のことである

仕事の帰り道

向かいから
若い男女3人組が
横一列になって
歩道の白線から
はみ出して歩いてきた

帰り道が観光地なので
そこまで珍しい光景ではない

ここでイライラするような
ぼくではないのだ

観光地すぎて
車もそんなには
走ってこない道だからね

横並び3人組の
右(車道)にふくらんで
歩いたそのとき

プップー!

と聞こえた

振り返ってみると

車があった

なんだ、車のオナラか

いやまてよ、
車はオナラをしないかもしれない

だって生き物じゃないから

でも、
はたらくクルマって聞いたことあるぞ

車が働くならオナラもするかもしれ

クラクションである

先ほどのプップーは
クラクションである

ん?

しかも、タクシーである

運転手のプロなのだ

車の運転でお金をもらってる人が

意図的にプップーしてきたのだ

しかも背中から鳴ったということは

3人組がぼくの向かいを
歩いていたことは
100%見えている

3人組が列を崩してくれない以上

そのままぼくがまっすぐ歩いていたら

3人組のうちのひとりかふたりと
ぶつかっているのだ

左は建物だし、
ぼくがむりやり左に歩いても、

結局3人組がふくらむ形になるから
プップーされるのだ

なぜクラクション?

なんのクラクション?

頭の悪い仕事終わりのぼくでは
答えが出せなかった

これはもう

プロの運転手さんに聞いてみるしかない

有識者の意見

というやつだ

まあこの場合、
有識者じゃなくて
当人なんだけど

というわけで

タクシーの真ん前で

「ちょっと止まってくださいね」

と手で合図をして、

タクシーの右隣に行った

ご親切に窓を開けてくれた

プロの運転手さんに

「あなたがぼくの立場だったら
どうしていたんですか?」

と質問したら、

「すいません、つい」

謝るなら最初からやるな

と言いたくなる人の
気持ちがわかってしまった

わからないままでいたかったなあ


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