【ショートショート】チャリンチャリン太郎　#毎週ショートショートnote

俺は、茶 林太郎。
コロコロコミックが大好きな中3。
友達は、いない。

本屋のコロコロコーナーにいるのは俺より大体年下で、同級生はジャンプコーナーだ。


だが、今クラスの木村がコロコロコーナーにいる。
同級生がここにいるなんて、初めて見た。

「き、木村くん」
「あれ、同じクラスだっけ？」
勢いで話しかけてしまった。

「そ、その漫画、面白いよね」
「な！俺全巻持ってる」
「俺も！」
嬉しさで前のめりになる。


「コロコロ面白いよね！俺ジャンプはまだいいかなって」　
「そういえば、名前なんだっけ？」
「お、俺は茶 林太郎」
その瞬間、外から自転車のベルの音が聞こえ、2人でその方向を向いた。


「あはは！チャリンチャリン太郎って呼んでいい？」　
「えっ」
「あとジャンプ面白いぜ！来週買ったら貸してやるよ！じゃあなチャリンチャリン太郎！」
木村は漫画を持ってレジに向かった。

「…じゃあなキム」
呼んだことのない彼のあだ名を、小声で呟いみた。


俺は、茶 林太郎。
来週からジャンプを読み始める。
あだ名ができた。
そして、多分、友達ができた。

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