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腐ったミカンの方程式          ――画像しりとりはじめました(#121)

(#120) 人間力→「く」→腐ったミカンの方程式

「あれ、加藤ってこんな顔だったっけ?」
「いや、これは松浦の方やろ」
「松浦は『さとる』。これは『サル』」
「惜しい🎵」
「いや、惜しいとか、そういう問題ぢゃないから」

……ま、とりあえず『世情』流しとけ( ̄∀ ̄)



 まぁ、「惜しい」でいうなら、加藤も「優 (まさる)」だからねぇw
そんなこんなで、二人合わせて「松藤まつふじマサルトル」。

なんのこっちゃ(・_・)

松藤まつふじマサルトル」なんて名前だけ見たら、こんな感じのイメージもちょっとだけよぎる。

こちら、フランスの哲学者にして小説家であり劇作家でもあるジャン=ポール・サルトル
そうだね、単に名前だけがちょっと似てるというだけで、加藤でもなければ松浦でもなく、ましてや手錠をかけられたサルですらない。
どちらかといえば、一番近いのは野村教頭かもしれない。

なんか、私の顔、ブレてませんか?坂本先生

……とまあ、のっけからしょうもない話で、いつにもまして支離滅裂な展開になっていきそうだが、その前に踏みとどまっておく。

 ちょっと冷静になって考えてみると、「腐ったミカンの方程式」というフレーズでドラマ『3年B組金八先生』を、あの荒谷二中での衝撃のシーンを、スンナリ脳裏に浮かべられる人はどれくらいいるだろうか?という話。

 そのシーンが前提になければ、冒頭のネタ画像なんてただの動物虐待であり、加藤だ松浦だ、挙句の果てに『世情』流しとけ、なんて言われても、全くもって意味フミコ(by 横澤夏子)だろう(・_・)

 というワケで、改めて「腐ったミカンの方程式」の経緯について、かいつまんで説明を。

 舞台は、ドラマ『3年B組金八先生 第2シリーズ』。
金八先生が教鞭をとっている桜中学校に、隣の荒谷第二中学校から転校生がやってくる。
 この生徒、加藤優かとうまさるは、荒谷二中から「腐ったミカン」と呼ばれ追い出されて桜中学にやってきた問題児だ。
桜中学でも、のっけから松浦悟まつうらさとると殴り合いのケンカになる等荒れまくるが、そこは桜中学の坂本金八と優秀なる同僚教師陣、ひとつひとつ道理を説き、加藤優に彼ら生徒たちは「教育を受ける権利があり、教師には彼らを教える義務がある」ことを理解させるに至る。あら素敵(*´∇`*)♪

画面左が加藤優 (直江喜一)、右が松浦悟 (沖田浩之)

 そうして桜中学にも馴染んで卒業を間近に控えた3月に事件が起こる。

 加藤が元いた荒谷二中から、加藤にヘルプ要請。
学校側が目を付けていた不良仲間たちを警察に売った報復として卒業式を集団ボイコットしたい、そのために荒谷二中で番を張っていた加藤の協力が必要だというのだ。
 加藤は、悩んだ末に、関係のない生徒や親に迷惑をかける集団ボイコットではなく、間違っている教師に謝らせればいい、として荒谷二中に乗り込み教師たちとの話し合いに臨む――

 ここからは、実際のドラマシーンを見ていただこう。(画像はちと荒いけどね(^^ゞ💦……ま、そこは舞台が荒谷二中ということで…(・_・)…)

目的とした教師の謝罪を勝ちとり、立てこもった放送室から出てくる加藤たち。
そこへずかずかと入り込んでくる警察官御一行。
蜘蛛の子を散らすように逃げる生徒。
追っかける警官。
組み伏せ、手錠ワッパかける警官。
別の警官に押さえつけられ何もできない金八。とりあえず叫ぶだけは叫ぶ「俺の生徒になんばしよっとか、きさん!」思わず博多弁^m^

 こうして、加藤と松浦と荒谷二中のそこまでゆかいではない仲間たちは、一網打尽で護送車に詰めこまれ、警察へと連行されてしまう。

その間、5分以上にわたって淡々とバックで流れる中島みゆきの『世情』。また、この間、セリフ一切なっしんぐ( ̄o ̄)。
ただただ警察マッポによる捕物劇がスローモーションで流れ、哀切としか言いようのない中島みゆきの歌声が悲しきBGMを奏でるのみなのだ。

 これが、今なおドラマ史上空前の名シーンと謳われる『3年B組金八先生 第2シリーズ』第24話だ。
ちなみに、「腐ったミカンの方程式」というフレーズがあまりに印象的なため、また実際に「腐ったミカンの方程式」というサブタイトルの話があるので (第5・6話) 誤解されがちだが、この回のサブタイトルは「卒業式前の暴力 2」である。

 なお、上記の動画は『世情』のアウトロが流れる中、護送車が走り去っていくシーンで終わっているが、この後、収監された生徒たちを帰す帰さないで警察サイドと学校サイドでもめまくる💢わけだが、
ここでも坂本金八、渾身の名ゼリフが連発する。

「彼らは未熟なんです。だから間違うんです。間違ったら繰り返し繰り返し、それが間違いだと教えてやる、それが教育なんです!」

「我々はミカンや機械を作ってるんじゃないんです。我々は毎日人間を作ってるんです。人間のふれあいの中で我々は生きているんです!」

「教師が生徒を信じなかったら、教師は一体何のために存在してるんですか。お願いです、教えてください!」

「我々教師が体ごとぶつかっていけば、彼らは必ず分かってくれるんです。そしてもっと正直に言えば、それがもしできなかったら、教師は教師を辞めるべきなんです」

……アツいねえ(*´∇`*)♪ 

ちなみに、ワタクシ、大学では一応教職課程をとっているので、当然教育実習にも行っているわけだが、その時一緒になった教育実習生に、このセリフを全部ソラで言える物好き……もといスゴいやつがいた(・_・)

果たして彼は、諳んじるほど心に刻み込まれたこのセリフを、実際にのたまふやうな教師になれただろうか?(⌒~⌒)

 あと、これは蛇足かもしれないが、加藤、松浦、その他荒谷二中の面々が警官に捕まえられ連行されていく、それら一連のシーンがスローモーションで流れ、その間一切セリフがなく、ただただバックに中島みゆきの『世情』
――という強烈に印象的なシーンには、元ネタがある。
映画好きの人ならピンと来る人も多いだろうが、映画『いちご白書』のラストシーンだ。

 主人公のサイモンとリンダが学生仲間たちとともに大学講堂に立てこもり大学側の不正に無抵抗の抗議を表明する。
車座になり、講堂の床を叩き手を叩きながら歌うのは、
プラスティック・オノ・バンドの『Give Paece A Chance(平和を我らに)』。

が、そこに警官隊が突入し、催涙ガスをまき散らしながら学生たちをボッコボコにしながら連行する――というシーンだ。
(警官突入フルボッコシーンは下記動画の2分過ぎあたりから(´・ω・`)💦)


 なんでも、生野滋朗というディレクターが、いつかこのシーンを再現したいと心に秘めていて (使う曲―中島みゆきの『世情』―もいつか使おうと温めていた)、プロデューサーの柳井満にも、脚本の小山内美江子にも一切相談せず、独断で編集したらしい^m^

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 「腐ったミカンの方程式」とは、箱の中で密集したミカンの一つが腐るとそれは周りのミカンにも波及して腐っていく。だから、周りのミカンを守るためにも、腐ったミカンは早急に箱の中から取り除かねばならない――
という理論だ。

 ミカンを箱買いした経験のある人ならお分かりだろうが、確かに、底の方で潰れて傷んだミカンは、まるで侵食していくように周りのミカンにもその傷みが波及していく。

 でもまあ、これってある程度仕方ないことでもある。箱一杯に詰めこまれたミカンは、底の方にいけばいくほど、上のミカンの重みがズシリとのしかかり、どうしても傷みやすくなるのだ。
まあ、組体操でピラミッドを作って崩れた時に下になった経験のある人なら容易に想像がつくだろう。

 で、いつごろからだろうか、毎年のように箱買いしてるミカンの段ボールを開けると、内フラップにメッセージが書かれていることが多くなった。

そう、重みで傷みやすくなってるなら、底の方から先に食べればいいのだ👆
なぁるほど、賢いっ(*´∇`*)♪

――ぢゃねーよ!
次回より」ってなんだ「次回より」って!!^m^

この書き方って、明らかに
あらーっ、素直に天面の方から開けちゃったのね^m^残念ざぁんねん。ミカンを上手に食べたいなら、こっちじゃないんだわあw
――的なニュアンス、ありありやん(笑)。

 無論、何も書かれてないのに比べたら、はるかに親切だ。そこは間違いない。
でもね、どこの家庭も、みんながみんなミカンの箱買いを年に何度も行うなんて思うなよって話ぞ。
 実際、ワタクシなんぞは、ミカンの箱買いは毎年欠かさずと言っていいくらいするけど、シーズンに2箱め…はなかなかいかないのが実情だ。

となると、翌年に箱買いした「次回」には、1年前の記憶なんて、言っちゃなんだが無いよ、そりゃ。

そして、またまた天面から開けて、このメッセージを目の当たりにするのだ――「次回」からは底の方から開けてネ♪、と(・_・)

 まあねえ、別に天面から開けようとも、いったん中のミカンを全部出し、買った時とは上下のポジションを入れ替えて詰め直す、とかすればいいだけの話だけど。
でも、本当に消費者ファーストでありたいなら、多少のみてくれなんて構わないから、天面外フラップにこのメッセージ書いてほしいのぅ( ̄o ̄)

 最後に「腐ったミカン」を排除するしか方法はないと決めつけてる荒谷二中の教員諸氏へ。
 本物のミカンでさえ、工夫次第で腐らせる前にみんな美味しく食べることができるわけだからして、人間ならなおさらやん♪
排除する前に工夫してみては?(・_・)

 さて、今日の一曲。今回はわりと素直に「ミカン」で
今週の8曲目、Creepy Nutsで『Bad Orangez

 これはもう、まんま「腐ったミカンの方程式」へのリスペクトががっつり詰まった一曲。
 「腐ったミカン」の「あの人」と、そうはなれなかった「俺たち」との対比、10年経ってみて解ること、等の叙情的な描写が、相変わらず小気味よすぎるくらい小気味よいR-指定のRAPで、畳み込まれてくる。


 おっと、今宵ももうこんな時間だ。そろそろミカンの箱買いの準備せなアカンけど、円安が止まらんから、高っかいやろなぁ、ミカン……(*´Д`)

 そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が、傷みそうな底のミカンから食べた方がいいのと同じように、コンビニやスーパーで食材を買う時は、なるべく前の方からとってな(o^-')b♪――それが、誰にでも気軽にできる身近なエコやで👍


■ おまけ

 今回の画像しりとり列車 (121両目) の前の車両です。タイトル「人間力」と右下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。


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