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干支               ――画像しりとりはじめました(#95)

(#94) 半人前→「え」→干支

「ダメダメ、僕の次は牛くん、トラちゃんはその次」
「トラちゃいまんねん、ネコでんねん」



 干支は、古代中国を源流とする暦法であり、細かいことを言うと、十干十二支の二つが組み合わさってできているものだったりする。

 十干は、具体的には、甲・乙・丙・丁・戌・己・庚・申・壬・癸の10種類。特に、最初の4つ「甲・乙・丙・丁」で、あぁ、学校の通信簿ね♪
とピンときてしまう人は――さすがにもういないか^m^

 そう、戦前の学校の通信簿は、今のように「たいへんよくできました・よくできました・がんばりましょう」ではなく「甲・乙・丙・丁」の四段階評価だったのだ。

んーと、個人情報的なアレは大丈夫なんか?

 ちょっと細かい字で見づらいが、ラスト二行の注意書きで
「成績わ甲乙丙丁戊の五語で評します。戊わ不成績 即 落第と御承知下さい」と書かれている。
 現代の大学あたりの成績表ではまだ存在する「優・良・可・不可」の「不可」、これにあたるのが「戊」。恐ろしいことに一発アウトだ。

 大学で留年することを、ドイツ語のダブルにあたる"doppel"にかけて
「ドッペる」と表現するのが学生間ではポピュラーな隠語だが、この時代の小学生は、さしずめ「いや~、っちゃったわぁ~💦」とか言う感じやろか( ̄∀ ̄)

 また、「甲乙」表記を今でもフツーに目にする機会がある。アパート、マンション等を借りる場合の賃貸借契約書や、ちょっとデカめのお買い物をした際の売買契約書等の各種契約書は、今なお
「賃貸人○○○○(以下、「」という。)」
「賃借人○○○○(以下、「」という。)」
てな感じで、甲乙表記(*1)だ。

*1:甲乙表記:なお、従来のこういった甲乙表記は、複雑かつ長い契約書なんかでは甲乙をうっかり取り違えて作成してしまう、なんて危険性もあるため、最近では
「松平ケンタッキー株式会社(以下「松ケン」という。)」とか
「松平ケンタッキー株式会社(以下「委託者」という。)」のように
略称だったり意味的な代名詞化をするケースも増えている。

 十二支の方は、具体的には、
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
の12種類から成り立っていて、日本で普段「えと」と言えば、こちらの12匹のわくわく動物ランドの方を指すことが多い。

 この十二支というわくわく動物ランド、もともとはそれぞれの字に動物を表す意味はなく、十干の方と同様に、単に順番を表す「記号」に過ぎなかったわけだが、それを覚えやすくするために、それぞれの漢字に身近な動物を当てはめていった、という経緯がある。
 例えば、
「子」は、子どもに通じる字であり、多産のイメージがあるネズミ
「巳」は、まんま形が蛇に似てるから
――といったように。

 こうして12の動物が後付けで当てはめられた(*2)十二支だが、その順番ケテーイの経緯を物語風にされていることも、けっこう有名である――

*2:12の動物が後付けで当てはめられた:12の「動物」と言いつつ、5番目に龍おるやん、て話にもなるが、古代中国では龍は滅多にお目にかかれない存在ではあるが実在する、と強く信じられていたことを逆に裏付けることにもなっている。

 昔々のとある年の瀬、神さまが屋敷に動物たちを集め、
「1月1日の朝、この屋敷に来るように。最初に到達した者から12番目までを、それぞれ1年ずつの大将とする」そう宣言する。

 めいめい張り切る動物たち。特に、自分の動きがトロいことを自覚していたウシは、前日の夜中のうちに神さまの屋敷目指して出発進行。賢い。ていうか、ほぼドラクエかiPhoneの発売日に並ぶ人たちの行動心理である。

 賢いウシさんよりもさらに賢いのがネズミ。彼は、こっそりウシの背中に乗っかり、ウシが一番に神さま邸に着いたところでウシの背から飛び降りて、ちゃっかり一番をゲットしたのだ。

 こうして、
1着ひと番ネズミチャッカリー、
2着ふた番ウシオットリーの着順が確定、
以下、トラ、ウサギ、ドラゴン、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、ニワトリ、イヌ、イノシシの順で、十二支がケテーイした。

 なお、身近な動物としてポップなネコがこのラインナップに入れなかった理由として、この神レースの日にちを忘れたネコがネズミに尋ねたところ、1月2日、とサクッとウソを吹きこまれ、それを信じて1月2日の朝に神さま邸に赴いたから、とされる。
 なお、この時の恨みがあるので、今なおネコはネズミを追いかけ回すのだ、という後日談までがワンパッケージである。

 ネコ派のワタクシ、誠に遺憾に存じる次第💢


 十二支は、下図のように方位を示すのにも用いられる。

 この図を見ると、一日のちょうど半分の12時が「正」といい、それを起点にその前12時間が「午前」、その後12時間が「午後」と呼ぶ理由、さらには、天球や地球の上から下へと降ろされた正中線が「子午線」と呼ばれる理由等が腑に落ちることだろう。

 また、陰陽道等で北東の方角を「鬼門」と呼び、鬼の出入り口として忌むべき方角とされるわけだが、鬼の出で立ちとしての角を持ち柄のパンツ着用で描かれるのは、この方角が「丑寅うしとら」だから、という見方ができる。

 なお、この丑寅のほぼ対面トイメンの西の方角に位置する動物のラインナップにお気づきだろうか。
いぬとりさる
 そう、桃太郎の従者たちだ。
 これは、鬼に対抗できる裏鬼門(南西)に向かい反時計回りに巡ることで三従者がゲットできるという流れを意味し、桃太郎がもし中国原作だったら、キジはニワトリになってたかも(笑)ということでもある( ̄∀ ̄)。


 おっと、今宵ももうこんな時間だ。桃太郎侍のDVDを見る時間ではないか。

 そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が、かなしいネコたちに優しい目を向けてあげられる、そんな一日でありますよう



■ おまけ

 今回の画像しりとり列車 (94両目) の前の車両です。タイトル「半人前」と右下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。


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