地銀を辞めたい!150人の相談に乗ってわかった銀行員たちのホンネ
「地銀に勤めているけど、もう辞めたい」
「他にも同じような思いを抱いている人って、いるのかな?」
地域の経済を元気にしようと思って、金融のスペシャリストになりたくて銀行に入ったのに、理想と現実とのギャップに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
こんにちは!地元の金融機関で働きながら転職メディアを運営しているうたのんといいます。
◆簡単なプロフィール
・年齢:30代後半 関西在住
・地元でリテール(個人営業)として奮闘中
・毎月1万人以上が訪問する転職メディアを運営
・150人以上の転職相談にのった経験アリ
ブログ:『銀行員だって転職したい』金融機関職員のための転職情報サイト
Twitter:@utanobanker
今回は150人の相談に乗ってわかったのですが、地銀の職員が辞めたいと思う理由は主に下記の5つに分けられると思っています。
1.将来性がない
2.体質が古すぎる
3.イベントで土日が潰れる
4.パワハラが未だに横行
5.顧客の役に立っている実感がない
主に5つのお悩みについて深堀りしていくことで、少しでも読者の方がラクになるのではないかなと。
モヤモヤしながら悩むよりは、より具体的に悩みを言語化できた方が対策もとれますよね。
また、地銀だけでなく信金や信組、メガバンクに勤める方にとっても参考のなる内容となっております。
この記事を読んでいただければ、地銀の将来に危機感を抱いているのはあなただけじゃなくて、仲間がたくさんいることがわかります。
自分の辞めたい理由を明確にすることで次の一手が見えてきますよ!
関連記事「転職したら年収はどうなる?5分で診断できるツール」
地銀を辞めたい理由その1、将来性がない
「銀行はオワコン」などと言われて久しい時代です。
いわゆるメガバンク(都市銀行…みずほとか三井住友とかUFJとか)なら、海外の業務に活路を見出すこともできます。
が、地方銀行は海外に展開できるはずもなく、東京や大都市に人・モノ・カネを取られて地盤沈下が進む地方経済と心中するしかない。
2019年3月末の段階で地銀約100行中、半数が本業では赤字を出しているなどというデータもあります。
余っているお金を株や債券の運用に回したり、それを売却して切り崩したりしてなんとかしのいでいる状況です。
コロナ禍でさらに経営が苦しくなる地銀も出てくることでしょう。
しかもネット銀行やネット証券、保険会社などに押されて、手数料収益を狙っている投資信託や保険商品の販売もますます厳しくなっています。
地方銀行の将来性がかなり苦しいものであることを、現場の銀行員は敏感に感じています。
地銀を辞めたい理由その2、体質が古すぎる
現時点で将来性がなくても、改革しようという機運があるのであればまだ残れるかなと思いますが…
地方銀行の体質はどこも古すぎです。
「昭和かよ!」と全力ツッコミを入れたくなるような、未だにFAXとハンコの世界。(FAXを外部に送るのに手続きやら確認やらで非常に時間がかかるので、直接書類を取引先に持参する、なんてアナログなこともやってます)
少し前まで、地元の国立大学やUターンなどを狙う秀才たちの就職先は、官公庁または地銀と相場が決まってました。
というわけで、考え方が保守的な人が多いんですよね。
合わない人は早々に見切りをつけてやめていきます。
そして銀行は基本的に評価が減点方式。
ミスをするとすぐにバッテンがつきます。
その代わり革新的なことをしても、あまり評価されません。
今の閉塞感をなんとか改善しようとする人は、少ないように感じますね。
地銀を辞めたい理由その3、イベントで土日が潰れる
就業規則上は土日祝日は休みなはずの銀行員なのですが、
・地域貢献と称した清掃活動など
・取引先の見本市などのイベント
・自分たちの従業員組合(労働組合)のイベント
・資格試験の勉強、試験
などなど、慣れない業務でいっぱいいっぱいの若い銀行員のライフラインを削ってくる出来事がたくさんあります。
多い月だと土日の休みのうち半分はつぶれる…なんてことも。
◆大垣共立銀行が正直狂気
たとえば岐阜県の第二地銀である大垣共立銀行はAKB48ならぬ、OKB45という女性行員のユニットを使ってPR活動をしています。
過度にディスるつもりはないのですが、なんだろう、この温泉のコンパニオンみたいな品のない格好……。
考えた人、絶対オッサンですよね。
そして、このアイドル?グループとやら土日に活動しているらしいのですが、休日出勤手当はきちんと出ているのでしょうか?
代休はきちんととれているのでしょうか?
何よりも本人たちは楽しんで参加しているのでしょうか?
楽しんでたら、まあいいんですけどね。
関連記事「大垣共立銀行を辞めたい、毎日お願い営業するのがイヤになりました」
◆つぶしが効かない銀行業務検定
また「銀行業務検定」という資格試験が存在し、若手(1年目から3年目くらいまで)は季節ごとにガチの試験があります。
しかもこの資格、金融業界では昇進の必須条件だったり、合格しないと上司から詰められたりするのですが、それ以外の業界に転職したときに何の役にも立ちません。
結局、イベントへの強制参加や資格試験、ムダな学習会などで休日もゆっくり休める暇がないのが銀行員の宿命なんですよね(涙
地銀を辞めたい理由その4、パワハラがいまだに横行
これは勤めている金融機関や部署にもよるのですが、パワハラやセクハラがいまだに横行している職場があります。
しかも、悩んでいるのは1人や2人ではない。
僕の勤め先でも(若干ぼかしますが)、以前従業員組合がとったアンケートで回答者のうち約3割が「パワハラを受けたことがある、あるいは見聞きしたことがある」と回答しています。
約3割!
この民主主義国家かつ令和の日本で…
パワハラが横行する主な理由は、現場の職員に課せられる「過酷なノルマ」にあります。
マイナス金利政策や地元経済の不振などで多くの地銀や信金の収益構造はますます悪くなっています。
そこで、投資信託や保険料収入など、さらに手数料収入を強化しようと上からは数字目標(ノルマ)が降ってくるわけですね。
「今日は(契約が)取れるまで帰ってくるんじゃねえぞ!」
「てめぇーー!月末までにやるっつっただろうが!どないなってんねん!」
ドガーーン!(近くの机を蹴る音)
なんて経験をしたこともある人は多いと思います。
ほんと、真面目な人ほど病んでやめていきますよね。
関連記事「銀行のノルマは過酷、詰められない方法を伝授します」
地銀を辞めたい理由その5、銀行の仕事では顧客の役に立っていない
「地域経済を金融面からサポートしたい」
「自分の生まれ育った街をもっと元気にしたい」
そう思って地銀・信金を選ぶ人は多いです。
というか、人事もそのようにアピールしてます。
ですが現実は、
”銀行は晴れの時に傘を貸し、雨が降ったら取り上げる”
なんて言葉がある通り、融資はローンの残高ノルマを達成するために資金調達の必要のないところに「お願い営業」してお金を借りてもらう。
高齢の顧客にお願いして投信や保険を契約してもらう。
顧客を上手く「ハメた」人がもてはやされ、数字がいってないと罵倒される。
本当に、地域の、お客様のためになっているのだろうか?
ふとした時に、虚しくなる行員は多いと思います。
新卒ですでに地銀を辞めたい銀行員が増えている
2Chでも「新卒だけど銀行やめたい」のスレッドが夜な夜な盛り上がっていますし、
最近では僕のところにも新卒の人の悩みも多く寄せられています。
上記のようなお悩みに加えて、職場の人間関係や他にやりたいことが見つかったがどうしようという前向きな考えをお持ちの方もいらっしゃいます!
もちろん即座に転職をするだけでなく
・もう少し今の職場で踏ん張ってみる
・心があまりにもしんどい場合は休職する
・まずは在職しながら転職活動をはじめてみる
などの、少なくとも3つの選択肢は用意されています。
金融機関にとっても激動な時代だからこそ、これからの働き方、自分にとって軸はなんなのか、じっくりと向き合ってみるのもよいでしょう。
多くの人にとって働いている時間は通勤時間、休憩なども合わせると1日10時間以上。
起きている時間の大半を占めます。
だからこそ、この記事をお読みの皆さんに少しでも前向きな働き方をして欲しい。その一助となればうれしいです。
関連記事「銀行員のための転職情報まとめ」
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