IPC日記 Spring term 2024 3ヶ月目。折り返し。
2024.03.04~2024.04.04.
IPCに来て3ヶ月。
6ヶ月のタームの折り返しがやってきた。
Alternative week
Alternative weekの1週間は通常の授業とはちがった授業を選択することができる。
わたしは「walk&talk Denmark」の授業を選択した。
実は、デンマーク語を前期の授業で取ろうと思ったのだけれど、定員を越える生徒が希望したため、譲ることにした。
こういうクラスの定員超えがあったときに、抽選とかではなく、話し合いで人数調整するのもフォルケホイスコーレらしいなと思う。
前期はデンマーク語が取れなかったので、このAlternative weekではとりたかった。
午前中はデンマーク語の授業。
ただ、この期間のデンマーク語のクラスはすでにデンマーク語を勉強している人向けのコースだったので、全くの初心者のわたしはついていくのに必死だった。
それでも、先生がいろいろ配慮してくださって、この期間にデンマーク語に挑戦できたのはとてもよかったなと思っている。
午後はデンマークの文化や社会について、実際にまちにでて学ぶ授業。
テーマは「デンマークの休日文化」
コミュニティガーデン、サマーハウス、winter bath、スウェーデンの文化との比較、焚き火、pastry、いろんな角度からデンマークの「休み」について体験しながら学んでいく。
その中で、ワークライフバランスについて考える場面があった。
Work-life balance_Denmark
Have you noticed any differences in how work and personal life are balanced here in Denmark compared to your home country?
Have you observed any cultural norms or practices in Denmark that promote a healthy work-life balance?
Do you find that IPC prioritizes a healthy study-life balance? How does this compare to what you've experienced before?
Are there any specific challenges you've faced in finding a balance between your academic responsibilities and personal time at IPC?
How many hours do you think is a full workweek in Denmark? How much vacation do you think Danes get a year?
How do you think the Danish approach to work-life balance impacts the overall well-being and happiness of its residents?
北欧のライフワークバランスにあこがれる人も多いのでは、と思う。
わたしもその一人だ。
でも、日本との違いに、いいな、北欧はすごい!で終わるのではなく、
わたしはどんなライフワークだと心地よいのかをデンマークの文化や考え方から学んで、自分の日々の生活に織り込んでいくことはできると思う。
わたし自身、日本で働いていた時は「働く」が1日の割合の多くを占めていた。
働くのは好きだった、けれど、一方でその忙しさや余裕のなさに、自分がなくなっていくのを感じていた。
好きだからこそ、自分が心地よく働き続けられるバランスを探る日々は、これからもきっとつづいていく。
Alternative week最終日とその土曜日には、パフォーマンスが行われた。
このパフォーマンスと展示がどれも本当にすばらしくて、empowermentされた。
みんながそれぞれの才能や、好き、想いをおもいっきり表現してつくられる空間は本当にキラキラと美しく輝いていて、まぶしいくらい、パワフルで、そのパワーとエネルギーに感動の涙がとまらなかった。
こころが震えるってこういうこと。忘れられない夜になった。
普段の授業や暮らしでは見られないようなチャレンジや変化があちこちで花開いていて、これこそAlternative weekならではだなと思う瞬間だった。
こころいやす時間をたっぷりと。
cultural evening以来、燃え尽き症候群で。
なにもする気が起きなくて、人と一緒に過ごすのもちょっと嫌になってしまって、みんなと距離を取るようになって。
ひとりになれる時間と場所を求めて、部屋にひきこもりがちに。
でも、そんな自分もイヤで。
前はどうやってみんなと過ごしていたっけ….わからなくなってしまった。
そんなときに、「今はお休みが必要なんだよ。おいしいもの食べて、好きなだけゆっくりしな。よくがんばったよ」と言ってくれた人たちがいて、あたたかく見守ってくれてたひとたちがいた。
すこしずつお天気がいい日がふえてきて、ひとりひなたぼっこしながら、そういえば、もともとは、自分の内側にもっと丁寧に時間をかけて矢印をむけるために来たんだったよな〜と初心を確かめ直した。
ここまでちょっと背伸びしたチャレンジを繰り返してきて、がんばってきた自分をほめてあげようとおもえるようになった。
今は、ただきっと充電が必要なとき。だれかと比べる必要はない。
そうやって自分との時間を大事にしながら、心おもむくままにゆっくりと過ごした日々を重ねて、少しずつ回復してきた。
ラマダン
ラマダンを初めて体験した。
日によって変わるけれど、朝4時ごろに起きて、食べた後、日没まで飲まず、食べず過ごす。
水が飲めること、美味しい食事が食べられることの喜びを改めて感じる。
世界のどこかで今この瞬間も水が飲めず、お腹を空かせている人たちに想いをはせて。
そんな文化をシェアしてくれて一緒に体験できたことが嬉しかった。
Swap Day
Bon fire
今ターム初めての焚き火会。
いっしょに火を囲んで歌を歌えば世界は一つになれるのでは、そんな気がした。
いつもと違うメンバーが混ざって学ぶことで心なしか距離がグッと近くなった気がして嬉しかった(焚き火効果すごい)。
Women's day
3月8日はinternational women's day
ということで、この1週間はwomen's weekとして有志の子達が企画してくれたプレゼンや映画、ポスターなどから考える機会をもらった。
わたしたちがこうして、今過ごせる背景にはたくさんの女性達が世界中で自由のために声をあげ、行動した過去があるからで。
大学生の頃、ジェンダーゼミに入ったことをきっかけに、「フェミニズム」はわたしの関心テーマの一つである。
自分は(生物学上)女性だけれど、「女性」らしさを求められたり、「女」であることの生きづらさを感じる場面に出会うと、もやもやとすることがときどきある。
(特にわたしは名前や見た目、雰囲気から女の子っぽいと言われることが多い、嫌ではないんだけど、自分から見えている自分とのギャップがある感じ….)
「性別」よりは、わたしという人としてみてほしいというか。
それってわたしだけなのかな…って思ったこともあったけれど、わたしだけじゃないんだと思えるようになってほんの少し救われたような気持ちになった。
ジェンダーやsexualityの授業をIPCでとるようになってより一層もやもやが晴れていくようなきもちになる。
みんなとごはんを囲むよろこび。
自転車で美術館へ。
授業の一環でルイジアナ美術館まで自転車で出かけた。
美術館の好きなところは作品との出会いを通していろんな想いが湧いてくるところ。inspired。
ことばになりきらないけれど、たしかに感じていたいまの自分が見えてきたりする。
つくり手さんがどんな想いで作品をつくったのか、その背景にあるものを想像したり、知るのも好き。
何度観てもすきだな〜と思う作品もあれば、前回は目に止まらなかったけれど、今回はすごく良かったな〜とおもうところもあって、本を読んだり、映画を観たりする感覚と似ているな〜と思う時がある。まさに自分のこころをうつす鏡。
とっても寒い日だったけれど、普段とは違った景色のなかを走るサイクリング、楽しかった。
ひとのあたたかさに癒され、救われ。
Queer week & Queer studies
そして、Queer weekでも、映画やポスター、プレゼンからいろいろ考える機会をもらった。
自分にとって身近なひとのことばだからこそ、より心が動く。
allyとしてなにができるか、もっと考えていきたい。
IPCに来て以来、「ミスジェンダリング」について意識するようになった。
日本語ではあまり使わない人称代名詞を英語で話す時に、わかっているはずなのに、それでもまだ「she」「he」と間違えたジェンダーで呼んでしまうこともあってそのたびに、あぁ〜やってしまった….となる。
日本ではまだまだ学ぶ機会が少ないセクシュアリティ。
IPCに来てから学んだことも多い。
こうやってQueer weekの中で、普段自分たちが感じていることを勇気を出してシェアしてくれたからこそ、学び、気づいて、行動につなげられる。
日常の中で感じるちょっとしたもやもやが知ること、名前がついたり、わたしだけやなかったんだと思えることで霧が晴れていく感覚。
What do you feel about your mother tongue?
アフリカ研究で「脱植民地化」について話す中で問われた
What do you feel about your mother tongue?
「ことば」はIdentityとつながっている。
この3ヶ月の間に、英語で話すことに少し疲れるようになってしまっていた。
以前、夫が「日本語だけで生活すると、僕のidentityがおびやかされるんだ」と言っていたけれど、なんだかその気持ちが今なら少しわかる気がする。
この問いについてみんなと話す中で、なんだかとてもemotinonalになってしまって、ことばにならないものが涙で溢れた。
授業終わりに話を聞いてくれた先生とクラスメイト。
この3ヶ月、自分の英語力のいたらなさもだけれど、そもそも日本語という言語は英語とつながっていない「違う」言語だな〜と感じる。
英語を学ぶことの難しさはそこだけではないと思うけれど、英語にちかいことばが母語たちの子がうらやましくさえおもってしまうこともある。
わかりたいのにわからない、話したいのにことばがでてこないくやしさ、もどかしさ。
でも、私だけじゃないよ。毎日、脳フル回転状態だと思う、本当によくがんばっているよ、と言ってもらえて、なんだかそのことばにもまた涙が出た。
授業(対話)は生き物だから。流れるように進んでいくのに必死についていって
それでもついていけないことも多くて、、、
自分だけ何も意見をいえてなくて、ここにいていいのかな…と思ってしまうこともあったけれど、ここにいるだけで全てが学びだよ、ひめがいてくれてうれしいよと先生に言ってもらってとってもあったかいきもちになった。
言語の壁が授業選択の幅を狭める壁にもつながっているなと感じる。
わたしは興味があることをやっぱり学びたかったからあまり英語レベル意識せず授業をとった結果、言葉の壁の苦しさともどかしさの壁にぶつかった。
「すべてが英語の勉強につながるよ、6ヶ月後に会えるのが楽しみだ」
そういってくれた2week language courseの先生。
すべてが学び。この苦しさももどかしさもがんばっているからこそのもの。
すぐには目に見えなくても、きっとすこしずつ自分の中に貯まっていくものがある。
この3ヶ月授業を通してたくさんの「問い」をもらってきた。
そんな問いに心を揺さぶられながら考えつづける旅は終わりなくつづいていく。
どの問いも答えはひとつではないし、大きな問いなので、授業の時間だけではきれいな結論にたどりつかないことの方が多い。もやっとしたまま時間が来たので終わることも多い。
これまで考えたこともないようなことを聴かれて、問いを理解する、自分ごとにするのに時間がかかる。
それでも、考えてみる機会があること。考え続けることにきっと意味がある。
そもそも、なんでこう思うんだっけ?そうやって普段は埋もれていた自分の「あたりまえ」や「ふつう」の根っこに目を向け直す。問い直してみる。
じっくり、ゆっくり。
自分の中で仮説を立てたり、消化したり、発酵させたり、分析したり、検証したり…耕して育てていく。
「なぜ、日本ではデモや抗議運動が多くないのか?」
「知識」はだれがつくるのか?
声をあげること、自分の意見を主張することに対する恐れやネガティブなイメージがあるのはなぜ?
1ヶ月遅れの大好きなフィンランド旅。
今年の誕生日は大好きなフィンランドにいきたい!
そう思っていたけれどcultural eveningの準備でそれどころではなかったので1ヶ月遅れでフィンランドに行くことに。
飛行機にひとりだけのれなくて(overbookedだった…ヨーロッパではよくあることらしい…よくあって欲しくないけど…)さすがに泣いたし、申し訳なさでいっぱいになったけど、無事についてよかった。
おともしてくれたIPCメイトたちには感謝感謝。
やっぱり、わたしにとってフィンランドは「another sky」でなぜかいつ行っても帰ってきたな〜と思わせてくれる心地よい場所。ときめきを思い出させてくれる場所。
誕生日に叶えたいことリストのひとつだった念願のマリメッコも悩みに悩んで、ゲットできて大満足の3日間になりました。
こんなにしあわせでいいの〜と何度言ったことか…
IPCの日常
1日1日がかけぬけるように、過ぎていく。
気づけば今日も寝る時間。
でも、そんな日常の中にもたくさんのかけがえのない瞬間がある。
日常の中にも授業の中だけでは学べない、感じられない学びが溢れている。
自分のこころが揺らいだり、反応したり、動いたりするたびに
自分がどんなことが好きで嫌いか、どんなときにしんどくなったりうれしくなったりするのかを知る。
他者を介し、たくさんの機会を通して、自分を知る場所であり、自分を知るための時間がたっぷりある。
LEGO HOUSE
学校がEaster Breakに入ったので、みんなでLEGO HOUSEに行ってきた。
デンマークにいる間に行ってみたかったところのひとつ。
入った瞬間からわくわくが止まらない。
夢中になって時間を忘れて楽しんだ。
LEGOがなぜ愛され続けるのかを垣間見れたような気がした。
みんなの時間とひとりの時間。
みんなが美術館に行っている間、わたしはゆっくりすることにした。
おすすめしてもらったカフェで持ってきた本を読了。
データが使えなくて困ったけど、おかげで読書が捗った。
きっと、今必要な時間だったんだろうな、と思う。
本を読みながら、やっぱり、そうだよな、これだよな。と改めて、確認するようなきもち。
わたしが叶えたいこと、これから自分の時間とエネルギーをやっていきたいこと。希望があふれてきてじわりと涙があふれてきた。
このときの気持ちが消えないうちに書き留めた。
そして、ハンガリーへ。
ニュージーランドのワーホリ中に出会ったハンガリーの友達に会いに行ってきた。
ハンガリー最終日は27℃。夏日のような暑さ。
コートがいらないほどのあたたかさからデンマークに戻ると雨が降っていた。
到着したのは0時ごろだったけれど、駅まで傘をもって迎えにきてくれたり、帰るまで起きて待っててくれる友達がいて、なんだかそのあたたかさに、IPCが今の私にとって帰る場所(HOME)になっているな〜と改めて感じた。
さて、IPCの生活も半分が過ぎて折り返し。
4ヶ月目がはじまる。
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