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こんな夜は何をしようか。

夜は冷たく寂しい。

この頃空気が冷たくなって白い息も覗き始めた。煙草を吸う彼に、「煙が残ってるのか白い息なのかわかんないね」なんて話して白い息を吐いて見せたのを思い出す。

私はこの時期の冷たい夜を好いていて少し嫌っている。
心が萎む。涙が溢れる日も少なくはない。
それが心地いいのか憂鬱なのかはまだわからない。

恋人がいても暖かいご飯を食べて温かいお風呂に浸かっても満たされない心があるのは事実で、それは何をしても欠けたままでいる。
どれだけ太陽が強く照らしてくれても三日月のままなのだ。

私は三日月が好きだ。
少し触れれば簡単に折れてしまいそうな儚い三日月が好き。満月のようでいて三日月のような人になりたい。

私は今この文章を思いのまま書いているけれど、この思いのままの言葉を誰かが共感してくれるのなら、こんな夜も悪くないと思える。

彼に影響されて買ったワンカートンもあと1箱。
私の生活は彼で溢れているけれど、彼はどうなのだろうか。どこに行ったってどこを歩いたって彼がよぎるけれど、彼はどうなのだろうか。決して彼のことを書こうと思っていた訳ではないのに、勝手に彼への言葉が浮かんでくるけれど、彼はどうなのだろうか。
そんなことを考える今日この頃。

空を見上げて煙を吐く。
満天の星空にモヤがかかる。
それと同時に私の心に雲が現れる。分厚く暗い厄介な奴。

彼が私の名前を呼ぶだけで涙が溢れる夜だから、何をしたって満たされることはない。

寂しいのだ。悲しいのだ。苦しく切ないのだ。
肌寒い夜はどうしたって私を負の感情で包む。
けれどそんな夜も愛してしまう。
夜は私を弱くする。

きっとこれは大人になっても変わらない。
学生の頃は大人が弱いなんて思わなかった。

「大人は可哀想。自分より大きな相手がいないせいで甘えることができない。」
どこかの水色のロボットが放った言葉。
大人だって弱い。完璧ではない。なんでも知っている訳でもない。
それを知った今も、早く大人になって強くなりたいと願う私はなんなのだろうか。

冷たく悲しい夜よ。
心が涙で溢れる私をどうか優しく包み込んでおくれ。優しく見守っておくれ。

もっと強くなりたいと思う私を冷たく温かく抱きしめておくれ。

風邪を引きやすい季節になりました。
みなさん、どうか元気に笑っていてください。
人との関わりをなくそうとするウイルスもあるけれど、どうか寂しく切なくならないで。
儚く美しい笑顔を忘れないで。
幸せになってね。

何を書きたいのかわからなくなってしまったけれど、ただ今夜の感情を聞いてほしかっただけなのかもしれない。
拙い言葉を聞いてくれてありがとう。
それだけで救われます。

それでは、おやすみなさい。
あなたの夜が少しでも優しくなることを願っています。

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