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私の彼

私にはよく笑う恋人がいる。

彼のことは呆れるほど書いてきた。きっと彼が見たら驚くほどだと思う。「よくこんなに書くこと思いつくね」と笑うかもしれない。
けれどきっと彼はこの言葉たちを読まない。そんなところも好きだったりする。

そんな彼は今隣ですやすやと眠っている。
今日は月曜で、本当ならもう解散している時間帯なのだけれど、仕事で疲れている彼は私の隣で安心して眠っている。

彼の眠りはとても深くて、苦しそうないびきをかいて、たまに起きて「んー、、、」と声を漏らす。
私にとってそれはとても愛おしく、心地いい時間を運んできてくれる。
起きた彼は「俺いびきかいてた?やだなー」とか、「寝すぎた。ごめんね。」とか言うけれど、私は彼のいびきも、口の空いた寝顔も、全て愛おしく大好きなのだ。

最近彼は「かわいい」とか「好き」とか「いつもありがとう」とかをよく口にする。
以前までなかったことだったから、その言葉たちを聞く度に心が締め付けられ、頬の熱が増す。それを見て彼は更に「かわいい」と笑うのだ。多分狙ってる。

彼と私は「友達」という期間をしっかり設けていたから、お互いのマイナスな部分も知っているし、ぶつかり話し合ったことも何度もあった。それらのいつでも切れてしまいそうな脆い時間を、2人でもがきながら歩いてきた。
一時の感情で付き合った2人ではないからこそ、毎日安心して、変に疑いの心を持たず、彼と笑い会えている。
物理的にも精神的にも「この人は今までの人とは違う」と自信を持って言えるのは、彼との思い出のおかげである。

「いつもありがとう」とよく言ってくれるけれど、きっと私の方が感謝している。

いつも安心してそばに居てくれてありがとう。
時折涙を見せてくれてありがとう。
私が涙を流した時優しく笑ってくれてありがとう。
ご家族に会わせてくれてありがとう。
恋人である私に友達のように接してくれてありがとう。
いつも笑わせてくれてありがとう。
心配してくれてありがとう。
好きになってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。

もうすぐで彼は20歳になる。
やっとお酒が飲めると喜ぶ彼と、早く居酒屋に行きたいなぁとぼんやり思う。

さて、彼を起こそうかな。
もう少し眺めていたいけれど、それはまた今度のお楽しみに取っておこう。

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