徒然なるままに、オリジナル小説と詩を書いています。名前は【詩】もしくは【うた】と呼んで…

徒然なるままに、オリジナル小説と詩を書いています。名前は【詩】もしくは【うた】と呼んでください。

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おやすみ、世界

-prologue- 枯れゆく世界 灰色に もっと灰に 冷たく 哀しく 残酷に 白いベッドに横たわる骸 よく歌を歌っていた 口ずさむメロディーは 聞いたこともないのに どこか懐かしく イラつく裏で癒されて あの声を 欲しいと思った カケラも醜さ 濁りのない存在 天使がいたなら きっと きっとあんな風 欲しかった 白い指も 透明な美しい横顔も 無垢な瞳も 薔薇の花びらみたいな ビロードの紅い唇も 全部欲しいと思った 肌も心も声も全部 なのに 俺はアイツをめ

    • ラブソング

      あのね うまく言えないけど 君といて 君が傍にいてくれて 何百回目 何千回目に また 感動したんだよ 君ってひとは 優しくて 楽しくて 僕の心を自然とほぐして 柔らかくしちゃうんだから 今日のデートだって 賑やかに 騒がしいくらいに楽しくて 僕のテンションはMAX 笑い転げて 痛い視線もなんのその 密やかに指を繋いで あのね 『らぶゆー」 って耳打ちして 照れた君にハッピーハロウィン 爆発的な熱量で 愛を捧ぐ 片思いみたいみたいな両想い 一生こんなのがいい

      • ありがとう

        それは寝苦しい夜だった。 汗のせいでべっとりと背中にパジャマが張り付き、水をいくら飲んでも喉が渇き、なんどもベッドで寝返りを打った。 ありがとう と、最期に記した君が、とても気持ち悪かった。ありがとうは残された者には呪詛だった。 君はお父さんにも、 お母さんにも、 私にも、 誰にも大事にされなかった。 なのに、 【ありがとう】? それは憎しみの言葉なのかい? その言葉を思い出すと。 君の死に顔を思い出すと。 叫びたいくらい怖かった。 ほんとは何が言いたかっ

        • 疲れたなあ 暗い路を眺めて 無気力に言う 誰に言うでもなく 何かを望むわけでもなく 疲れたなあ やめたいなあ …あ 前にもこんなことあったなあ 夏だった 蝉の泣き声 煤けた畳 その上で 泣いていた 幼い私 脚に血が伝って もうやめたいなあ 疲れたなあ 暗い部屋の隅を見てそう思った 少し 疲れてるんだな ここでちょっとだけ泣いていこう ううん ちゃんと生きるよ ちゃんと 涙が乾いたら また歩き出すよ 疲れただけ きっとそう まだやめない わたしの路

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        おやすみ、世界

          ただ君に会えたら

          ファークスは黒い犬だ。 世界が戦争で崩壊してから、生き残った動物は多くはない。 あの日、原爆が世界で5発落とされた日、僕とファークスは山奥の洞窟にいた。 戦争が始まって、死ぬつもりだった。 一緒に暮らしていた恋人のアリアとふたり。毒薬を飲んで死のう、そう誓っていた。 誰も傷つけたくないし、傷つけられるのも嫌だった。 だから「死のう」とアリアとふたり、決めていた。 山奥の洞窟での暮らしは、一週間くらいだった。 食べ物と飲み物、灯りと少しの本、ラジオ、それだけ持ち込んで、僕

          ただ君に会えたら

          死にたがりの透明人間

          僕は だれにも見えない ぬくもりが欲しくても 触れることはできない 寂しいよ 悲しいよ 誰かに名前を呼んで欲しい ここにいるよ いるんだよ でも だれにも見えてない だから死にたいと おもうのだけど 死んでもだれもきづかないな ああ 死にたいなあ 誰かに 名前を呼んで欲しい それが最後でいいから

          死にたがりの透明人間

          旅が好きだ 大好きなあの部屋を抜け出して ちょっとといいホテルに 連泊するのが好きだ 違う街 違う洗面台 違う冷蔵庫 なあんにもすることがない ふと映画館にでかける 思いもよらない出会いがある 夜、語り合う 自宅では絶対にない発見がある 違うベッド 肌触りのいい 優しい温もり ああ ここにずっといたい そう思うのに 必ず終わりが来る それがまたいい たまらない寂しさと無力感 家に近づくと どうして旅行などいったんだろう? とおもうほど 我が家が恋

          無人映画館

          【無人映画館】 だあれもいない映画館 何がスクリーンに映るんだろう それが自分の今までの半生だったら? 自分の半生を映す映画館 私は泣くだろうか? 帰りに死にたくなるだろうか? わからない ただエンドは、今 映画を観てる自分 なら ここから作っていくしかない 感動なんか しなくていい ただ 微笑んでいるエンドを いつか観れるように いまから 無人映画館 ハッピーエンドで終わろう

          無人映画館

          神様

          神様はいないと思う? 私には神様がいたの 手乗りサイズで ひらひらと飛び回って いつも上からで生意気な神様だった でも20歳もすこしだけ 過ぎたとき 辛くて 死にそうになってて その時神様が言ったの 『全てやめよ 死ぬよりマシ 死ぬ様なことじゃない』 それで決心がついて 全てをやめて 私は生きた それきり 小学5年生の時から ずっと傍にいてくれた 神様はいなくなった 代わりに人格が増えたけど それはまたいつか あの時 『やめろ』 と言ってくれてありがとう

          ヴァンパイアの血

          朝の光が嫌い カーテン越しに 白い光で 眠る私の背中を刺してくる 全てを明らかにするように 現実をつきつけてくるように 追い立ててくる朝日が嫌い どうせならずっと夜でいいのに 自由に繰り広げられる空想 オブラートで 痛みを隠してくれるみたいな 闇のベール 古い音楽が鳴る 雰囲気だけで酔えそうな空間 朝がくるたび 私は殺されるんだ まるで ヴァンパイアの血筋

          ヴァンパイアの血

          貴方が嫌い

          静寂は 怖い 音楽がないと 息ができなくなる こんな昼下がり 今 かかっている音楽がなかったら 私は死んでしまうでしょう 音楽は鼓動と同じ 言葉は 苦しいけど 私を生かしてくれる アルコールも なければとっくに私なんか 死んでしまっていた 偽善に生きる我が内の人格が憎い でも彼はへらへらして 私をも取り込もうとする ほら そういうところ ひとのココロの中に いつの間にか 当然な顔しているところ 春の桜のような 初夏のラムネのような 秋風のような 冬の温もり

          貴方が嫌い

          そして音楽が消えた

          小説を書くことは 自分を酷く痛めつけることだ 書き上がった朝 自分の書いた作品が怖くて 震えが止まらなかった 痛い 心が 痛い 怖い 生きているのも辛いくらい そうならない 作品も ある エンターテイメントだ それも いい でも書きたいのは きっと 白い服で血だらけになって 自分を抉り出して 差し出すような そんな作品なんだ 痛い 辛い 苦しい それが 正義ではない わかっているけど そして音楽が消えた

          そして音楽が消えた

          音楽が聴こえない

          音楽が 脳の中で突然途切れた 私のナカはいつも音楽が溢れていて リズムにあわせて生きている その【音楽】が 突然途切れたのだ それは息ができないのと一緒 水から上がった魚 はやく はやく 取り戻さなければ 死んで しまうから

          音楽が聴こえない