2019.6.12~15 第1章の終わり「この体が持っている自然な響きで、言葉が求める声で、歌う」
これまでの全てを忘れて、自然に歌った。
何も求めず、技術的なことも忘れて、自分の声を、ただ出した。
自分の声が「好きだな」って思えた。
一つの結論が出る。
結局のところ、自分の体、心、言葉に一番合ったものが、自分の出したい歌声なのだろう。
すごく当たり前のことだけれど、それが難しかった。
何度も録音して、自分の声を聞き直して、たくさんの発見を積み重ねた結果が、こんな簡単なことで良いのか?
そう思ったが、歌っていて、はたと気がつく。
その状態は、これまで培ったフィジカルなことが満遍なく使われている、、、それでいてとても自然なのだ。
歌っているというか、話をしている感覚でもある。
そして思う、ああ、ジェイムスも、ニールヤングも、自然体だ。
彼らは彼らの体や言葉にベストマッチな歌声で歌っているのだ。
僕がずっと求めていたものは、それなんだと思う。
僕の体が、どういう響きなのかを探していたし、自分の一番好きな響きがやっとわかってきた。
歌というもののあり方には、いろいろな解釈があるだろうが、とどのつまり、最善はその歌をしっかりと自分自身の響きで、言霊として外に出すということなのだ。
グラミーなんて本当はどうでも良いけれど、、グラミーというものを掲げたからこそ、たどり着けたことだろうし、僕が前に進む推進力になるだろうから、これからも、見つけた歌声に磨きをかけていくために、研究は続けていこうと思う。
笹倉慎介の歌声紀行〜グラミー賞が獲れるまで〜、第1章は、ここで一区切り。
「この体が持っている自然な響きで、言葉が求める声で、歌う」
という、なんとも当たり前なところに、ようやくたどり着いた。
そして明日から、第二章へ。
自然な声を定着するために歌い込む必要がある。そしてその先に、今度は何が見つかるのだろうか。
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