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イギリス旅行記-スコットランド・湖水地方を中心に③-

 夏休みを利用してスコットランド、湖水地方を中心にイギリス旅行をしました。現地発着ツアーで出会った人々との語らい、トラブル、ハプニングに遭った際にサポートしてくれた人、そんな人たちを想いながら、イギリス旅行記の様子を皆様にご紹介したいと思います。3回目の今回は3日目の観光、エジンバラ市内観光、エジンバラ城、ロイヤルマイル、スコットランド議会、ホリルードハウス宮殿の観光記となります。(1回目2回目


エジンバラ市内観光

エジンバラ城

 エジンバラ城への観光の際、事前予約による入場制限があったことを確かめてなかったため、入場予定の10時から1時間ずれて11時の入場となりました。エジンバラ城が公式サイトによるオンライン予約かチケット専売のところでしか入場券を買えないと知ったときには、個人旅行の際にはきちんと下調べをしておかないといけないなと改めて認識させられました。ただ、エジンバラ城周辺のロイヤルマイルは土産物店などがいっぱいあったため、土産物店を散策するなどして楽しむことができました。

エジンバラ城(入口)

 エジンバラ城は歴史的建造物として用いられているだけでなく、軍関係の施設としても使用されており、エジンバラ城内には第一次世界大戦、第二次世界大戦で戦没した軍人などを祀る「戦没者祈念館」のほか、軍事にまつわる展示物である「国立軍事博物館」もあります。その意味では国家に忠誠を誓う軍人のための施設という側面があると感じました。

 もちろん歴史的な建造物としての側面は当然にして有しており、1110年に建てられた聖マーガレット礼拝堂や、スコットランド王即位の際に用いられる「三種の宝器」、「運命の石」が展示されてあるクラウンルーム、メアリー・ステュアート(メアリー1世(スコットランド))がスコットランド王ジェームズ6世(イングランド王としてはジェームズ1世)を産んだ「メアリー女王」の間など歴史的建造物もあります。

 時間に余裕がない方は、入場してすぐのところにある大砲「ワン・オクロック・ガン」、「聖マーガレット礼拝堂」、「クラウンルーム」、「メアリー女王の間」、戦没者祈念館が集まっている「王宮」周辺、を優先的に見学し、そこでも余裕がある場合、戦争捕虜に関する牢獄を訪ねられるといいかもしれません。なお、エジンバラ城も日本語によるオーディオガイドがありますので詳細をきちんと知ることができます。

ワン・オクロック・ガン
名称は日曜日、聖金曜日、クリスマスを除く13時に大砲を市内に響かせることに由来しています。
聖マーガレット礼拝堂
1110年に建てられたエジンバラ城内最古の建物です。
エディンバラ城(王宮)

スコットランド議会

 エジンバラ城からロイヤルマイルをずっと下り、ホリルードハウス宮殿の真正面にあるのがスコットランド議会になります。スコットランド議会自体は、スコットランド王国が独立していた中世の頃から存在していました。しかし、1707年にグレートブリテンという形でスコットランドがイギリスに吸収されたため、スコットランド議会は解体されました。スコットランド議会は解体されましたが、スコットランドの人々からの議会開設、自治を求める声は強く、1998年スコットランド法によってスコットランド政府とともに議会開設が認められ、ここにスコットランドの自治権が確立することとなります。

スコットランド議会入口
右の言葉はスコットランド・ゲール語になります。

 スコットランド議会は人々に広く開かれており、セキュリティチェックを済ませれば外国人を含め、誰でも議会での傍聴を含め議会を見学することができます。また、スコットランド議会のスタッフによるスコットランド議会の自治権についてのわかりやすく、丁寧な解説もありました。具体的には外交、国防、BBC放映権など中央政府と密接にかかわるもの以外にはほぼ権限がゆだねられているとのことです。ただし、連邦制と異なりあくまでも英国議会がスコットランドに自治権を付与したという形であり、基本的には中央のさじ加減によって決まるという要素が強いとのことでした。

 スコットランド議会は、観光コースではあまり紹介がされていませんが、地方自治や政治について興味のある方は、議会の傍聴が可能なことや、スタッフの解説などもあるので訪れてみることをお奨めします。

スコットランド議会HPはこちらになります。

Scottish Parliament | Scottish Parliament Website

ホリールード宮殿

 スコットランドでイギリス王室の王族が宮殿として使っているのがこちらの宮殿になります。こちらの宮殿は残念ながら内部での撮影が禁止されていますが、外観は写すことが可能となっています。現在も王族の宮殿として使われているため、謁見の間ではVIPとの応対に使われているほか、宮殿の間では公式行事などが催されるなど、現役の宮殿の役割を持っています。この宮殿も日本語のオーディオguideに対応をしているのでエジンバラ初訪問の際にはぜひお訪ねください。

ホリールード宮殿

 宮殿内は歴代イギリス君主の肖像画、装飾品の展示がなされているほか、建物の装飾も階段の間においてルネサンス様式によるフレスコ画を装飾するなど芸術的価値にあふれています。私は芸術方面に疎いですが、芸術に興味がある人は注意深く装飾品を観察されるといいかもしれません。

 ホリールード宮殿もメアリー1世にまつわる悲しいエピソードがあります。メアリー1世の2番目の配偶者であるダーンリ卿ヘンリーがメアリー1世の秘書デヴィッド・リッチオを刺殺する事件はこの宮殿の「メアリー女王の間」で起こった事件です。(※1)一見華やかに見える宮殿もその裏では多くの悲劇も重ねていたという事でしょう。

ホリールード宮殿(修道院跡)

ホテルスタッフのさりげない気遣い

 スコットランドを旅行中、私はグラスゴーのホテルに泊まっていました。スコットランド旅行中に私はうっかりカメラケースをなくしてしまったのですが、その際ホテルのスタッフにバスの中に置いてきたかもしれないが見つかったら教えてほしいと伝えました。結局見つからなかったのですが、チェックアウトの際にスタッフの方がカメラケースは見つかりましたか?こちらではまだ見つかっていないのですが、と声をかけてくれたのです。残念ながら見つからなかったと応えつつ、その気遣いに感謝申し上げました。

 個人旅行はスケジュールを自分で組み立てられる自由さがある反面、何かあったときのトラブルも含めすべて自分の責任で行うことが必要になってきます。そのため、心細くなったり、イライラすることもしばしばあるのですが、そんな状況下でさりげない気遣いというのは私にとって旅の中の癒しになるのです。旅の楽しさには人との交流の中で交わす思いやりもあるのかもしれません。 

私、宴は終わったがは、皆様の叱咤激励なくしてコラム・エッセーはないと考えています。どうかよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

脚注

(※1) 長谷川町子著「サザエさん旅歩き」の「スコットランド」P99~P103にもこの事件に関するエピソードがあります。ただし同著では、メアリー・ステュアートが秘書と密会をしていたと事実と異なる記述になっているほか、場所も「メアリー・ステュアートのお城」とスターリング城とホリルードハウス宮殿を混同しているかのような表現になっています。

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