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空色の心臓 【超短編】

 今のぼくの心臓は露草の空色をしているんだと真顔で言う少年は白いシャツの襟をはだけて襟より一層白く見える胸に右手の細長い華奢な指を挿し入れてふうと一つため息をつくと二重瞼の眼を瞑った。私は教壇にあった自分のハンドバッグから口紅を取り出して彼の唇に化粧を施し始めた。

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