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平和よ、この立体は丸いのか四角いのか? 【兎がほざく 番外】

問題をひとつの立体にたとえると、前から見れば円形でも、横から見れば四角形ということがあります。
おたがいの立っている場所によって見える形がちがいます。
そうするとお互いの意見がどうしてもかみ合わなくなります。
さらに実際の問題は、立っている場所によって二通りではなくて何通りにも見えることがあります。
しかも時間によって変化してゆくとすると、さらに見える様相は複雑です。

今起こっている国際紛争は、まさにそういうものだと思います。
当事者の政府の立場、それぞれの地域に住んでいる市民の立場。
現時点に視点を置く立場、過去の経緯に視点を置く立場。
第三国の国益の立場。
同盟や親密国としての立場。
政治の立場、経済の立場。
国際機関としての立場。
そして同じ人間としての立場。

複数の立場に優先順位をつけることができるのは、すべての人が認めた権威がある場合だけです。
現代においては権威の衣はつぎつぎにはがされてしまいました。
それはどれもフィクションであって、あたかもオズの魔法使いが舞台裏で拡声器を操っているようなものだと。

人体の健康にたとえれば、白血球や血小板のない状態に似ています。
いったん血が流れると、止めるのはたいへんです。

そのなかで、わたしは共通の立場に立てるキーワードはあると思います。
正確に言えば、あると希望しています。
それは「将来の世代の幸福」です。

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