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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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2022年10月の記事一覧

🐇兎がほざく581

🐇兎がほざく581

ポテサラとアニメ。

日本は西洋の文化を輸入しましたが
西洋での成り立ちの経緯から切り離されて日本に着きました。

それを理屈よりも五感を頼りに日本に合うように作り替えました。

うまくいったものといかないものとがあります。

ポテサラやアニメはうまくいきました。

🐇兎がほざく580

🐇兎がほざく580

アイスクリームが溶けるよりも早く今は過ぎ去ります。

しばらく形になって目前に漂うものも早晩消え去り忘れられます。

物事に実体がないというのは哲学ではなく事実そのものです。

そうであってもこだわり生き抜く。

そしてたまにアイスクリームを思い出すのがいいのです。

🐇兎がほざく579

🐇兎がほざく579

ベートーヴェンの音楽はゴツゴツしていて苦手という人もいますがわかる気がします。

唐突のショックを効果的に使った作曲です。

一つのテーマを次のテーマに突如転換する無理な繋げ方にエネルギーを感じます。

そして自分の陶酔に強引に誘導します。

それが劇的です。

🐇兎がほざく578

🐇兎がほざく578

わたしとは幼い頃からの自分の発した言葉の連鎖かもしれません。

日本語の雲から借りてきた言葉たち。

その借り方の違いが個性なのでしょう。

そうするとあなたとわたしの違いは借り方の違いです。
借りる先は同じ雲です。

しかも連鎖といっても片端から消えるのです。

🐇兎がほざく577

🐇兎がほざく577

生まれる前や死んだ後の世界を見て来たという話は信じてはいけないのだというところから出発したいです。

妙な期待があるから騙されるのです。
だから騙されることが心地良いのです。

幻滅してはじめて自分が生まれると思います。

幻滅の向こう岸で祈りたいです。

兎がほざく🐇576

兎がほざく🐇576

高校生の時、インドの恋愛の詩にいたく感銘したのですが本の題も作者も訳者も書き留めませんでした。

確か筑摩の全集と覚えていました。

国会図書館デジタルで松山俊太郎さんの訳と見当をつけてたどり着きました。

平凡社の全集でした。

甘い詩情を懐かしさが追い越しました。

兎がほざく🐇575

兎がほざく🐇575

都会の雑踏で考えました。

人はたいてい文を独りで読みます。
そして自分の言葉の中で理解します。

さて十人が同じ文を読んだとして、同じ理解は二つとないのだと思います。

同じでないから数えても意味がなくて、足し算もいわんや掛け算もお呼びでないのです。

何人が読んだというのはあまり意味がないです。

兎がほざく🐇574

兎がほざく🐇574

言葉はひとたび発するとこの世のみんなのものに属します。

聞き手や読み手がいなくても、とりあえずは自分を離れます。

逆に作品が有名になっても、やはり自分を離れます。

窯出しされて冷えた陶器のように。

いずれにせよそれを持って天に帰ることはできないのです。

兎がほざく🐇573

兎がほざく🐇573

人や物事が許せなく思うとき、自分はいかにそれらに期待していたのか焙り出されます。

許せなく思うのは、当てにしていたのに裏切られたと感じるからです。

ぼくのことをわかってくれると深く信じていたならばなおさらです。

自分の期待がしぼむにつれて少しずつ冷静になれます。

兎がほざく🐇572

兎がほざく🐇572

あしたはあしたの風が吹きます。

その風は自分の想像通りにはなかなかならないものです。

だから心配はほどほどでよいのです。

これまでだって前の日に心配しても翌日はなんとか過ごして来たのです。

それでも明日の無事をそっと祈りたくなったりします。

兎がほざく🐇571

兎がほざく🐇571

フィクションにワルモノがよく登場するのは、人はルールに反していて罪悪感が深いことほど愉悦を感じるからかもしれません。

それはルールが守られるべきと認めているからこそです。

罪悪感なきワルモノは成り立たないのです。

そして罪悪感を償う正義の味方が欲しくなります。

兎がほざく🐇570

兎がほざく🐇570

気持ちがまいったときには好きなものを食べてたっぷり寝るのが最大の薬だと思います。

頭で自分に命令して解決するものではないです。

食べ物が手近になければ飲み物でもいいです。

カルピスウォーターでもコーラでもとにかく飲んでみるのが応急手当になります。

兎がほざく🐇569

兎がほざく🐇569

等身大は大事です。

自分を大きく見せるのも小さく見せるのも長続きしません。

大きく見せるとは自分を実力以上に演出することで、小さく見せるとは自分のするべきことから逃げるという意味です。

でも誰でも元気があふれるときはほんの少しだけ大きめかもしれません。

兎がほざく🐇568

兎がほざく🐇568

文芸活動に勤め人の経験が大いに役立ちます。

とは言っても作品でなくて作品を本の形にするまでの作業です。

ワープロで書式を調整し、頁番号を振り、大扉や目次や奥付を作り、修正で手戻りするという、紙と文字のカンが生きる作業です。

会議資料作成で手慣れています。