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2021年10月の記事一覧
兎がほざく🐇その232
勤め先でSNSマーケティングのセミナーを聞いた。
Twitterの掲載は、いいねなどの活動が多い人の投稿を優先表示するらしい。
ハッシュタグと画像の組み合わせ、訴求したい話題でバズった人の文を真似る、といったコツ。
数字は投稿作品本体のよさや人気と関係ないんだって。
兎がほざく🐇その231
ぼくは大人になって久しいのに昔捨てた若者としての人生を取り返すつもりになっています。
人さまは今更なんのつもりかと思われるでしょう。
でも諦めるわけにいかないのです。
コメディですがよいのです。
たおれる日まで演じましょう。
たとえ独り芝居で無観客でも。
兎がほざく🐇その230
会話。
相手に自分の考えを差し出し、相手の考えを聞こうとする。
それは相手に興味を持ち信用しているから。
会話すること自体が愛だと思う。
結果として、お互い自分の言葉の中で相手の話を理解するとしても、いいではないか。
説き伏せるのは会話とは言えない。
兎がほざく🐇その229
ぼくは中学生の頃自分という紙風船を早々に行儀よく折り畳んだのです。
尾崎豊さんのように窓硝子を破いたのでなく紙風船を破いたのです。
そのつけが今に回っています。
捨てたはずのものが回帰しています。
今度は回帰するがままにしたいです。
だからまだ日は暮れない。
兎がほざく🐇その228
人は割れたメダルの半分で、欠けたもう半分を探すためにこの世に生きていると思う。
ぼくもあなたも、お互いの失ったもう半分は持っていない。
でも、ぼくの持っていないものを与え、あなたの持っていないものを求める、この矛盾こそが生きる原動力だ。
人はこれを愛と呼ぶ。
兎がほざく🐇その227
田舎から都会に出て勤め人になってから知りました。
勉強一本で入った者は目立たず実務を引き受ける役回りということ。
親の家がもらえる人の暮しはまねできないこと。
実家の力で会社に発注や資金を引いて来れる人は特別なこと。
あと、可愛げが身を助けるらしいこと。
兎がほざく🐇その226
服装ルール。
制服は、学生にとっては修業の旅にある旅行服。
門地の貧富格差を意識しないで済む。
でもそれ以上のものではない。
ツーブロック、昭和の高校ならば衛生的な模範生の髪型です。
自分のささやかな表現、おおらかに認めませんか?
兎がほざく🐇その225
もう昔になるが、銀座のクラブというところに上司の鞄持ちで行ったことがある。
お酒が飲めないぼくは黙って観察した。
洋花が盛大に活けられ、着飾った女性が短時間で席を替わる。
年配者向けに慎重に選ばれた一見当たり障りのない話題。
気の張り詰めた接客術だった。
兎がほざく🐇その224
居心地のよい距離。
雀も鳩も、こちらがそっと近づいても、ある距離になるとパッと飛び去ります。
人間の家庭では、その距離がぎりぎりか、それより密だと思うのです。
距離の保ち方がコツでしょう。
男女の仲も、そう。
でも、どのカップルも一度は密を夢見ます。
兎がほざく🐇その223
カレーの匂い。
幼稚園児の頃、可愛がってくれた叔父が、繁華街のスタンド式のカレーショップにぼくを連れて行きました。
その時の香ばしい匂いが忘れられません。
小さなぼくは叔父が食べるのを見ていただけでしょう。
同じ匂いのお店、入るとどこもとても辛いからです。
兎がほざく🐇その222
ひとつのメロディが終日耳について離れないことがあります。
最近は勤め先のビルのロビーのBGMでふと耳にした、ラ・パロマの旋律がそうなりました。
その時の自分の気分と共鳴したのでしょう。
音楽は言葉の極北にあって肉体に触れます。
兎がほざく🐇その221
あたりまえの日々が、あたりまえでないこと。
あたりまえの日々が、目に見えなくてもみんなの働きでできていること。
それらを忘れた勇ましげな言動を、現実がひっくり返す。
現実の変化の確かさ。
この世は無常だが幻ではない。
現実はつらくもあり救いでもある。
兎がほざく🐇その220
日本の音階。
大学の時、文学部の日本音楽論の講義に潜り込んで教わりました。
低い方からレソラレ。
登るときはファとドが入り、降りるときは♭シと♭ミが入る。
この方法で、都節音階よりずっと日本風のメロディになる。
先生に耳がいいと褒められたのは一生の思い出。
兎がほざく🐇その219
英雄とは。
大勢の兵を率い、理想のために自分と部下を危険にさらすことをいとわない人。
部下が誇らかに身命を捧げる人。
人心を動かす言葉が語れる人。
こうした要素を持つだけではとてもなれない人。
加えて人間として可愛げがある人。
今いたらとても怖い人。