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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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2021年4月の記事一覧

兎がほざく🐇番外

兎がほざく🐇番外

道端のトランスにバンクシー風の落書きがあった。
イエス様らしい男性が一粒涙を流していた。
そう、たぶん最期の時は泣いておられたのだ。
ただ、ただ、かわいそう。
二千年人々が思いを重ねる像の下の本当の気持ち、伝わった気がした。
落書き、名画だったんだ。

兎がほざく🐇その54

兎がほざく🐇その54

旅。

人間、どんなに立派な家に、どんなに長く住んでいても、いつかはそこを独り旅立つ。

旅行は、そういう現実を思い出す機会だ。

その機会に、人生を客観するか、人生からしばし逃げようとするか、それは旅人次第。

自分の胸に目をやれば、どこへ行っても、ここは、ここ。

兎がほざく🐇その53

兎がほざく🐇その53

大都市。

いろいろな地域から、多様な考え方の人が集まる。

お互いに自分の欲しい物事が異なる。

だから交換が盛んに発生する。

大都市は今や土地を必然とせず、ヴァーチャルの世界に成立する。

それを宅配が支える。

「衛生」的。

でも、肌の触れ合いは起こらないのだ。

兎がほざく🐇その52

兎がほざく🐇その52

眠りは不思議だ。

どんなに愛し合う二人も、眠ればそれぞれ一人に戻る。

戦いの修羅場でも、一日一回は眠りが訪れる。

昼間に自分の心を占めていることから、毎晩必ず引き離される。

世界は消える。

そして朝には眠りは覚める。

世界は現れる。

自分とは、独り眠る世界。

兎がほざく🐇その51

兎がほざく🐇その51

人は笑う。

初めての出会いに笑う。
知っている物事に出会って笑う。
間違いや不器用を見つけて笑う。
勝ったとわかると笑う。
負けたとわかっても時には笑う。

事態が自分の手に負えるとわかって安心すると笑うのかな?

ちなみに僕は、むっつりゲラ。

兎がほざく🐇その50

兎がほざく🐇その50

子供の勉強を促す「ひとことふくちゃん」という方法を長年うちで実践しました。

毎日、5分でよいから、親が「今日学校で何を習ったの」と聞く。教科毎に。必ず毎日。一言の復習。

親は知っていることもちょっと付け加える。

一緒に楽しむ時間。学校の様子もわかる。効果ありますよ。

兎がほざく🐇番外 ガンバレ、文化!

兎がほざく🐇番外 ガンバレ、文化!

日本にはほかの国にない日本文化がある。北斎の絵が西洋美術にどれだけ深い影響を与えたか。能楽の象徴性。武道の強さや勝負を超えた芸術性。外国文化の日本的応用。そして創造。

日本の誇るべきはGDPでも核弾頭でもなく、文化の共感力だ。

文化の栄える日本を愛したい。
文化を泣かせてはいけない。

兎がほざく🐇その49

兎がほざく🐇その49

織田作之助。

真面目な戯作者だった。

自分をコンテンツにするために、あえて堕落を演じた。

その堕落に他人を巻き込まなかった。女にも男にも依存しなかった。

甘えのないプロの真面目さが好きだ。
決して勝手ではない堕落。
すなわち戯作。

兎がほざく🐇その48

兎がほざく🐇その48

淡々とした毎日。想定内。冒険なし。手本通り。我が身をなるべく損なわず、終点まで運ぶ。

一方、日々冒険。想定外の連続。他人の真似では何も対処できない。スリルと快感。

後者は人間の憧れ、せめてフィクションで......そうなの?

いや、実は前者こそが幻想だ。後者が現実。

兎がほざく🐇その47

兎がほざく🐇その47

語学は音楽の稽古に似ている。

音楽では、楽典は大事だが、歌ったり楽器を奏でたりがもっと大事。

語学も、文法は大事だが、きれいな発音で話すのがもっと大事。

音読。文字という楽譜を正しく発音する練習。口という楽器の毎日の稽古。声を出す。

これが上達の近道なのです。

兎がほざく🐇その46

兎がほざく🐇その46

もちろん水商売の従事者も人間なのです。

ほとんどの人はお金に困ってそこで働いています。

家庭の敵として、世間の風あたりの強い仕事。

客の横暴や病気を身体一つで引き受ける仕事。

愛を毎晩売り払う心の寒い仕事。

それが見えてしまうから、花街を歩くのは辛いのです。

兎がほざく🐇その45

兎がほざく🐇その45

言葉の世界。

一つ一つの単語は別の単語との違いで成り立つという。
言葉は関数だけでできた一枚の織物なのか。

その説明は空回りだと思うのだが。

一回一回、言葉を発するときの判断、それを棚上げにして、言われた後の痕跡を観察しているだけと思う。

兎がほざく🐇その44

兎がほざく🐇その44

笑い。

一日に自分は何回笑っているのだろう。

苦笑も勘定に入れよう。自分を笑う余裕があったのだから。

嘲笑は勘定から外そう。自分の姿に目をつぶっていたのだから。

笑えることが見つからなくても、せめて微笑したい。

人に話すときは、まずはにっこりしてみたい。

兎がほざく🐇その43

兎がほざく🐇その43

自信。

自信が持てず、自分のせいにする。そして自分を責める。

あるいは何か足りないせいにする。そして自分以外を責める。

無力感を抱きしめて座り込む。

そういう時にこう励ましてみる。

今日も足りない自分を引っさげて歩めばいいのだ。

ぼちぼち、行こう。