マガジンのカバー画像

短歌集

202
和語だけで旧仮名遣いの和歌と、和語以外も入り現代仮名遣いの短歌との両方を収録しています。
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

恋人は薔薇 【短歌】

恋人は薔薇 【短歌】

恋人は薔薇といふ君
その頬にゆるしたまはず
息の触るるを

つづく春雨 【短歌】

つづく春雨 【短歌】

王朝風に短歌を詠みました。

SNSより去りし人を偲びて詠める歌

 頼み来し
   君がたよりの
     途絶えして
   濡るる枕に
     つづく春雨

今はいかに暮らすらむや

滲みる痛み 【短歌】

滲みる痛み 【短歌】

抗えぬものに抗い負う傷に
滲みる痛みは自分の証

手に触るるまじ藤の花房 【短歌】

手に触るるまじ藤の花房 【短歌】

藤の名所で知られる東京の亀戸天神まで歩いて参詣しました。

そよ風に
  揺れつつ誘ふ
    紫を
  手に触るるまじ
    藤の花房

帯解けば 【短歌】

帯解けば 【短歌】

逢ひそめし
  せかるる心
    帯解けば
  はだえにかかる
    紅の滝

珈琲の滴 【短歌】

珈琲の滴 【短歌】

誰想ひ
  淹るるや午後の
    珈琲の
  息を潤す
    琥珀の滴

かんざし拾ふ 【短歌】

かんざし拾ふ 【短歌】

忍ぶ恋
  池の水泥に
    咲く花は
  隠しもあへぬ
    肌の紅色

贈れども
  恋の果つれば
    捨つるらむ
  冬の砂浜
    かんざし拾ふ

化粧こそ愛 【短歌】

化粧こそ愛 【短歌】

なでしこは
  化粧こそ愛
    君がため
  揺るがせにせず
    紅のひと塗り

短歌 いざ眠れ

短歌 いざ眠れ

いざ眠れ
  彼女の声も
    後悔も
  そして私も
    闇に消えゆく