もう夢を語るのが恥ずかしいなんて言ってられない

いまさら夢を語るなんて、恥ずかしい。
誰かに見せるなんて、もっと恥ずかしい。
でも、それはなんでだろう? と少し自分に問いかけてみました。

夢は、ずっと持っていました。
もう長いことずっとです。
でも、それは未だに夢なのです。
未だに夢が適っていないということは、自分がそこに向かって本気で向かっていなかったという証です。
たぶん十年くらい、何度もチャンスはあったし、やならきゃと決意する機会もあったのに踏ん張らなかった。
十年を、無駄にしました。
まったく頑張っていなかった自分を暴露することになるから、誰かに言うなんで恥ずかしくて、夢を「趣味です」とごまかしてきました。

でも私は変わります。
どうしても、変わらねばならなくなりました。

ふつうは、明日も、昨日までと同じ日々が続くと思っていますよね。
明日、自分を取り巻く世界が一変してしまうなんて、考えたこともないですよね。
私も、老後に二千万円が必要だと新聞で見てから、そんなに貯金ないよと多少の不安はありましたが、あと十年くらいは今のままの仕事をして、貯金もしつつ、夢を見ながら、変わらない日々を過ごすのだと信じていました。
先のこともきっと大丈夫と思っていました。
でも、そういうのが全部吹っ飛ぶようなことが起こりました。
私を甘やかしてくれた居心地のいい場所を失ったのです。
浮き輪もなく、海の中に突き落とされたような感じでした。

自分はこの先どう生きていくのかを、ひとりで考えなければならなくなりました。
真っ先に思い浮かんだのは、作家になりたいという夢でした。
夢でも趣味でもなく、本当にやりたいそのことを、私は生涯の仕事にしなければならないんだと、強い想いが胸の中に渦巻いてきました。
追い詰められて、もうこの道しかないんだと、気づきました。
同時に、本当にやりかったことしか、もうやりたくないとも思いました。

夢はもう、ふわふわした憧れではなく、数年後の目標へと変わりました。
これは戒めです。
誓いです。
これまで甘やかしてくれた大切な人へ、これから変わる私の決意を伝えます。

今抱いている目標は、作家になることです。
物語を書くことです。
その世界で食べていくことです。

ああああああ〜、ついに、世界に向けてオープンにしてしまいました。
まだかなり恥ずかしいです。
でも、来年の春には恥ずかしくない自分でありたいです。
そのためには書くしかありません。
書き続けられなかった自分とはおさらばです。
拙い物語になるかもしれませんが、一文字一文字を積み重ねていきます。
応援なんていりません。
この世界の片隅の小さな部屋で、たった一人の、自分との闘いです。

(了)

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