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詩① ラメと紙と土星


8月11日


JILLSTUARTに
秋の新作が出た


赤いアイシャドウだ
「出してみますか?」
瞼のキラキラした店員さんが言う
私の、血管の浮いた肌の上にのせると
いっそう血の色に近くなって
ナイフで切ったみたいに色づいた

「ゴールドのラメを、全体に重ねるとかわいいですよ…………………」

キラキラのラメが私の怪我の上に載る
生傷、それから、のばされて乾いた血。その上にラメが、輝いていた。

ヘッセの詩集買って
紙袋に一緒にいれてください
血液とラメ、新潮社の紙の匂を全部混ぜましょう
土星のような昼下がり


私を変えて
血液とラメ、かくも偉大なひとの詩集や
私はまだ土の中で眠る
蝉のようなものなので

一人でも多くの人にとって、有意義になる記事を書けるよう頑張ります!