東大京大新高1高2総合方針

こんばんは。ぜんこうです。

先日、「東大京大新高3総合方針」という記事を書きました。

今回はその高1、高2編です。ポジハメ君のものを受けて書いているので、まずはこちらをご覧ください。

数学・英語の具体的な記述は↑に任せ、ここでは全体概観と、国語について書きます。全体概観はポジハメ君のものと比較しつつ、国語は上の記事の補足としてお読みください。

全体概観

①高3までに覚えるべきものは覚える。

新高3に向けても書きましたが、受験生は国数英の記憶作業・高2以前にやった地歴理科の一周目記憶作業をやっていてはいけません。高2のうちに片をつけましょう。

それも、しっかり理解しながら覚えなくてはいけません。暗記でなく「記憶作業」と書いたのもその辺りのニュアンスによるものです。

・英語
英単語は「単語ー日本語訳」の一対一対応ではなく、語源、使用例、単語の構成(接頭辞・接尾辞など)と関連づけて覚える。
英文法は必ず例文を確認して、文法的に間違っている部分は違和感を覚えられるようにする。

・数学
青茶レベルの例題は理解する。暗記するのではなく、解法をインストールする。

・国語
古文単語は語源から覚える=核となる意味を掴む。そうすることで記述のニュアンスでミスらずに済む。
古典文法・漢文句法も例文を確認する。

覚えるときはこれくらいしないと、脆弱な理解になります。欠陥工事・突貫工事はプロの目から見ると、またはプロが作った問題を解くと(選択問題であっても)一発で見抜かれると思いましょう。

入試改革に絡み暗記不要論などに接することもあるかもしれませんが、科目の試験で思考・判断を問うためには知識という土台が前提となります。「読解力」にしても日本語の知識が必要なわけです。覚えるのは目的ではなく、高いレベルでの思考を行うための(=難関大学の入試問題を解くための)必要不可欠な手段です。まずは知識をつけましょう。

②自分の性格や集中力を把握し、自分にとってベストな選択ができるようにしておく

「やっているはずなのに成績が伸びない」「集中ができない」「勉強の生産性が悪い」というのはたいていの場合、自分のことがよくわかっていないからです。
例えば、飽き性なら飽き性なりにベストな戦略があります。それなのにそれを認識せず、あるいは飽き性を克服するために長い集中を要する勉強ばかりしていたら効率が悪いことこの上ありません。
自分に合わないことを受験期にやっていたら時間と体力の無駄です。早いうちに、「自分はどのくらいの時間集中できるのか?」「集中が切れたらどうすると回復できるか?」「朝型か?夜型か?」など、勉強の質が高くなる状況を見つけてください。

③自己分析する

②は精神面・体調面ですが、これは学習に直結する部分です。自己分析とはつまり、学習者として自立できることです。
学習者として自立できていない状態とは、
・自分にしかわからないはずなのに他人にすぐ答え(意見ではない)を求めたがる
・意味はわからないけど、とりあえず言われたことを言われたままにやっている
などです。

つまり、自立できている状態はその逆で、
距離を置いて他人の意見を聞き、それが自分にとってどのような利益を及ぼすか取捨選択する(聞いてみて「あ、これは自分には合わないな」でも構わないし、少し実践してみてから判断しても構わない)
目的意識を持つ(これをやって高まる力は何か?と考えるだけで効果は違う)

具体的には、
・勉強を時間単位で考えていない
・他人に、自分の勉強の方法(どうやって力をつけていこうと思っているのか)について説明を求められたとき、明確に答えられる

というところです。こういう積み重ねが、全ての科目を支える思考力を鍛えると考えています。逆説的ですがもちろんこれも「他人の意見」ですから、取り入れるも取り入れないもあなた次第です。お任せします。

現代文の方針

まず、現代文(論説)は対比・類比・因果の把握が重要になります。(林先生の講師紹介映像で述べられている通りです。)なんとなく文章を読んでいるという人は、この三点の把握を意識すると違うと思います。ここが現代文はじめの一歩です。
そこから、具体例と主張の区別、論旨把握、解答の作成...へと進んでいきます。

あとはポジハメ君推奨の参考書ルートをやるのでも、林先生の講義を受けるでも良いと思います。現代文の実力を確かめるには、センター試験の過去問が良いでしょう。

あと基礎的な語彙は持っておきましょう。漢検で言うと準二級〜二級レベルでしょうか。

古典の方針

◯古文

はじめに書いた通り、古文単語は覚えましょう。300語くらいが目安です。推奨する覚え方としては、「元々その単語はどんな意味があったのか」に着目することです。『栗原の古文単語教室』などに詳しいですね。「意味1、意味2、意味3...」と覚えるのではなく、「元々この意味で、意味1、意味2、意味3...と派生した」と覚えておくと、ニュアンスが掴めるので「意味1、意味2、意味3...のどれも文脈上あてはまらない!」という現代語訳問題に遭遇したときに困らずに済みます。鉄壁などと同じ考え方ですね。そういう意味で、ゴロで覚える系の参考書は推奨しません。

文法については、古典文法を一通りインプット(例文を見ながらインプットできるとベスト)し、文法の識別ができるようになったところで簡単な文章の読解に入ってください。初期段階では読んだ文章を逐一品詞分解・用法識別して、アウトプットしてください。文法知識を盤石にします。だんだん正確な識別が脳内でできるようになったら(もはや時間の無駄になるので)逐一品詞分解をしなくて結構です。そのレベルになったら、どんどん問題を解きつつ理解の穴を埋めてください。

軽視されがちな古文常識ですが、古文常識について知らないと文章が読めないということもあります。物忌、祈祷、儀式、官位といった、貴族の生活に関わる部分については知っておきましょう。「◯の刻は何時か」みたいな知識問題は東大では出ないので、そうしたことは別に覚えなくてもいいです。

◯漢文

句法は、基本的な参考書に大きく載っているものは覚えましょう。これも例文とともに覚えるのが良いです。あとは、問題集などで読んだ漢文はもう一度読んでみて、漢文の基本的な文法や、並列関係・対比関係の表現手法などをなんとなく掴むことができれば、読むのがだんだんスムーズになってくると思います。これが時間短縮につながります。

漢文の重要単語は多くはありません。参考書の最後についている50語ほどを覚えれば十分です。


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