【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE12)
オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第12回は第11回引き続き、人文科学と社会科学についての出題だ。よって今回も文科生のみが対象になる。なお、次回は理科生が対象の問題を出題予定だ。
解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。
CASE12 【追い出しの基礎】<文系のみ>
【問題】
文科一類の米主君は2Sセメスターにおいて、「法Ⅰ」を追い出したいと考えて「政治Ⅰ」を履修し、50点を獲得した。その結果、彼の社会科学の成績表は画像の通りになった。空欄①・②に入る重率はそれぞれいくつか?
【選択肢】
① ア
② イ
③ ウ
④ エ
(Twitterでの出題はコチラ)
知識の確認
今回は、前回に引き続き文系準必修の問題だ。準必修は総合科目同様、条件によっては思った通りに追い出しができない場合がある。特に、文科一類や文科二類の社会科学には特別な条件がついており、追い出しの際はそれに注意する必要がある。最初に人文科学の追い出しができない場合を見た後、社会科学の場合を説明する。
■人文科学で追い出しができない場合
『履修の手引き』55ページや9ページで付された条件である「2分野にわた」ることができなくなるような追い出しはできない。状況としては、追い出したい科目を追い出した結果、同じ分野の科目2つが残る場合だ。その場合、以下の画像のように、2分野を維持した状態で追い出しが行われる。
上の画像では、「こと文Ⅳ」で「心理Ⅱ」を追い出すと、ことばと文学の1分野にしかまたがらなくなってしまう。そこで、「心理Ⅱ」以外で一番点数の低い「こと文Ⅳ」を追い出すことで2分野を維持している。
■文科一類の社会科学
文科一類の社会科学は、「法Ⅰ」と「法Ⅱ」の4単位セット、「政治Ⅰ」と「政治Ⅱ」の4単位セットのいずれかを取得していなければならない。よって、追い出しはこの条件を満たす範囲で行われる。
〔例1〕
「法Ⅰ」、「法Ⅱ」、「政治Ⅰ」、「社会Ⅱ」を履修していた場合
→一番点数が低いのは「法Ⅱ」であるが、法の4単位のセットが崩れないように、法分野以外の科目で一番点の低い科目が追い出される。
→ただし、新たに政治で4単位のセットができるのなら法の4単位のセットを崩しても構わない。
〔例2〕
「法Ⅰ」、「法Ⅱ」、「政治Ⅰ」、「政治Ⅱ」を履修していた場合
→法と政治のうちどれか1科目だけを追い出すことは可能。ただし、法と政治から1科目ずつ2科目を追い出すことはできない。法か政治の4単位セットがなくなってしまうからだ。
■文科二類の社会科学
文科二類は「経済」と「数学」の分野から自由な組み合わせで4単位を取得しなければならない。追い出しをする際は、最低でもこの4単位は維持される。
〔例1〕
「経済Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「政治Ⅰ」、「社会Ⅱ」を履修していた場合
→一番点数が低いのは「数学Ⅱ」だが、経済か数学分野以外の科目を用いて「経済Ⅰ」、「数学Ⅱ」を追い出すことはできない。その代わり、「経済Ⅰ」と「数学Ⅱ」以外で一番点数の低い「政治Ⅰ」が追い出される。
なお、「経済Ⅱ」や「数学Ⅰ」を用いて「経済Ⅰ」や「数学Ⅱ」を追い出すことは可能である。
→「数学Ⅱ」が追い出された代わりに「数学Ⅰ」が入って来たので、4単位のセットは維持されたままになるので問題ない。
〔例2〕
「経済Ⅰ」、「経済Ⅱ」、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」の8単位を履修していた場合
→上記4科目のうち、最大2科目まで自由に追い出しできる。
■文科三類の社会科学
条件は「2分野にわたり4[単位]」なので、これは人文科学の仕組みと全く同じである。よって、人文科学の説明を適宜読み替えて考えてほしい。
問題の解説
【問題】
【選択肢】
① ア
② イ
③ ウ
④ エ
【解答】
①(ア)
【解説】
米主君は文科一類の学生であるため、社会科学の追い出しは、法4単位または政治4単位のセットの、少なくともどちらかを維持しつつ行われる。今、米主君は「法Ⅱ」を「政治Ⅰ」で追い出そうとしているが、もし「法Ⅱ」が追い出されると現在の「法Ⅰ」と「法Ⅱ」のセットが消滅し、また「政治Ⅰ」と「政治Ⅱ」のセットもできないから、条件を満たさなくなってしまう。よって、「法Ⅱ」は追い出されることはない。したがって、①(「法Ⅱ」の重率) = 1だ。
したがって、「政治Ⅰ」で追い出せるのは、「法Ⅰ」と「法Ⅱ」以外で一番点数が低い科目である。そして、それは「政治Ⅰ」自身だ。よって、②(「政治Ⅰ」の重率) = 0.1だ。
(終)
以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回は自然科学の追い出しの問題を出題する。お楽しみに!
補充問題
【CASE12 補充問題】
文科二類のA君は、1年次に社会科学で以下の成績を修めた。もし2Sセメスターにおいて「社会Ⅰ」を履修して100点を取った場合、追い出される科目はどれか。
科目名 単位数 点数
経済Ⅰ 2単位 75点
経済Ⅱ 2単位 70点
数学Ⅰ 2単位 90点
政治Ⅰ 2単位 80点
【解答解説】
文科二類の社会科学の条件は「「経済Ⅰ、経済Ⅱ、数学Ⅰ、数学Ⅱ」の中から4を含め8」(『履修の手引き』9ページ)であるところ、A君は既に「経済Ⅰ」、「経済Ⅱ」、「数学Ⅰ」で6単位を取得しているので、仮に1科目追い出しにより減ったとしても、条件は満たしたままであることが分かる。したがって、順当に一番点数の低いものが追い出されるから、答えは「経済Ⅱ」である。