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【インターン特集第一弾】インターンとはなんぞや?東大生のためのABC

 大学生なら誰しも一度は耳にしたことのある「インターン」。多くの大学生が遅かれ早かれ経験するものだ。
 「何もすることないし、インターンとか申し込んでみようかな」「外出自粛解除されたら、インターンしたいなぁ…」と考える一方で、「インターンって3年生がやっているやつだっけ…?」「申込みとかってどうやるの?」とも思っている東大1,2年生は少なくないだろう。
 最近は、就活生向けだけではなく労働力として全学年でインターンを受け入れる企業が増えている。以前は(特に長期インターンは)リファラル中心だったので意識高めな人が多い学生団体内でそういった情報が共有されることが多かった。しかし近年では仲介サイトなども充実し、色々な学生にとってインターンは学生時代に所属するコミュニティの一つになりつつある。意外と知られていない、インターンの種類や探し方を見てみよう。

インターンには大きく分けて2種類ある

 インターンは大きく分けて長期と短期の2種類がある。
 長期は(学生視点では)アルバイトと似た雇用形態で、実際にその会社の実務にかかわるのが大きな特徴である。特別な条件がない限り、学部1年生から博士課程までと学年の幅は多様なことが多い
 一方短期は(学生視点では)就活の選考に結びつくプログラムやその他体験活動(1週間程度)を指すことが多く、学生同士で行うグループワークや業務の疑似体験が活動として多い。基本的に学部3年生や修士1年生が参加することが多いが、学部1,2年生から参加する人もいる。筆者の知り合いでも、学部1年生ながら大手事業会社や飲食チェーン、広告代理店などのサマーインターンに参加した学生が複数名いた。

入社方法・内容・待遇について

・長期インターン
 探し方は後述するが、リファラル採用にせよ応募形式にせよ、入社の意思を企業に伝えたのちに選考を受けることが多い。履歴書を提出したのち社員さんと面接して、入社後にどのような活動をしていくのか、どの程度コミットできるのかを確認されることが一般的だろう。その時点で合否が決まることもあれば、メール等で後日連絡のこともある。
 募集段階で「週〇回」「週〇時間」のような条件を課す企業も多いが、シフト形式(アルバイトと類似)を取る会社もある。また、完全リモート制のインターンもあるので、研究室や実験で時間が取りづらい理系学生や、必修授業が多い1年生にはお勧めしたい(特にコロナの状況ではなおさら)。
 勤務内容は千差万別だが、最も一般的なのは社員さんのサポート業務だろう。会議の議事録取りやクライアント先への提案資料の作成など。コミット度が高い場合は、実際に自分が営業のためクライアント先を訪問したり一事業を任されたりすることもある。社員さんの1、2年目と比べても裁量(自由度)の広い仕事を任せられることも多いという。筆者の知り合いでは、業務内容の効率化を自ら上司に進言し、予算を取って社内の利益を10%向上させた者もいた。
 インターン先によって待遇は異なるが、有給の場合は時給1300円前後が一つの目安で、契約件数など成果報酬制のインターン先もある。筆者の2個目のインターン先は、交通費に加えて勤務日は昼食代1000円まで出してくれたホワイトな会社だった。無給インターンの場合はもちろん、有給の場合も東大生の一般的なアルバイトに比べると時給が安いことが多いので、自分が何を求めてインターンするかを定義できるようになるのが望ましいだろう。

・短期インターン
 こちらは短期間・少人数で行われる、さらに企業の採用活動に直結するため選考が厳しくなることが多い。SPIなどの能力試験やエントリーシート、面接などで倍率10倍以上の仁義なき戦いが行われる。
 業務内容は、先述したようにプロダクト開発や戦略立案などを学生グループで行うことが多いが、1dayなどの場合は企業の説明会や工場見学のみとなることもある。
 インターン先によって待遇は異なるが、新卒の採用単価を考えれば「優秀な学生の囲い込み」は企業の優先課題なので、「参加のみで10万円、立案コンテスト優勝チームはさらに10万円」などの好待遇を約束する企業は多い

探し方について

 インターンは長期・短期関係なく様々な形態で行われる。そのため、各インターンに自分が向いているかどうか、そこでの活動が自分にとって有意義なものになりそうかを見極めるのが非常に重要である(もっとも、多くの学生にとってつまらないと思われるインターン先がなくはないのも事実だろう)。
 あくまで一般的な傾向として、インターンの探し方について叙述する。大きく分けると、「企業から誘われる型」、「自分から仲介サイトを見て応募する型」、「業界から調べて直接志望企業に連絡する型」の3つがある。

・リファラル
 リファラル採用とは、社員に人材を紹介・推薦してもらう採用手法のことだ。たまたま知り合いから「うちに来ない?」などと声をかけられて面接を受ける、などがこれに当てはまる。リファラルで入る人が長期では相当数いる一方、短期では少ないと思われる(これはあくまで筆者の経験則)。
 採用される学生側のメリットは、実際にその会社で勤務経験がある知り合いから内情を伺えることがある。また、採用する企業側も、採用したのに音信不通になる、想定外のミスが多い、などの採用リスクを下げられるので、ある意味win-winな手法である。長期インターンも(新卒採用の1/10ほどだが)人材系サイトへの仲介料が数万単位で発生するので、人材獲得費用を抑えたい企業も、この方式を好むことが多い。
 ただ気を付けるべき点は、仲介するリクルーターに採用報酬が企業から支払われている場合が往々にしてあるので、その人を完全に信頼しきるのは危険だろう。筆者も、仲介役となった経験が何度かある。

・仲介サイト
 長期・短期関係なく、これが最も一般的なインターン先の探し方であろう。前述のように人材仲介料が高いこともあり、人材系のビジネスは現在多数存在する。
 一つひとつ紹介しても構わないが、抜け漏れがあるうえ情報のバイアスがかかるので、こちらの写真をご覧いただきたい。

スクリーンショット 2020-05-23 22.53.16

(参照:HR Note https://hrnote.jp/contents/news/internship-khaosmap-20200210/
 いかがだろうか。業種や形式によって、このように多様な選択肢がある。
学生側のメリットとしては、このようなプラットフォームは各社のインターン案件の違いをしっかり確認でき、そのため相対的にブラック⇔ホワイトなインターン先の見極めがしやすいことである。そして仲介サイトによっては選考手続きや入社後のカスタマーサポートが充実している会社も多い。
 一方で、業績を上げることに躍起になり、適当なインターン先を推薦してくる仲介サイトもあるので、リファラル同様に自分自身での判断も大事になってくる。
 ちなみに筆者の経験則では、長期インターン探しではゼロワン、短期インターン探しではOne Careerや外資就活が東大生には多い印象がある。短期インターンの選考対策などはGoodfindなどで充実している(掲載対価はいただいておりません)。

・その他
 「自分で」探しに行く方法である。主に2パターンが考えられるが、1つは、特定の企業で働きたいという希望が前からある場合。もう1つは、目ぼしい企業が仲介サイトでは見つからない場合だ。
 前者は、NPO法人でインターンしたい学生に多いだろう。話に聞く中で、「カタリバでインターンしたい」と考え、直接カタリバのホームページに行って申し込む、などが典型だろう。後者は、自身が働いてみたい業界・勤務内容などで良い候補が受動的に得られない場合に多く、業界研究を経て知り合いに社員さんを繋げてもらう、または企業のホームページから直接問い合わせるなどのケースが多い。

 筆者の身近な例としては、以下のような例がある。具体的内容は隠した。
・(前者)リディラバ代表の講演会を聞き、その後ソーシャルビジネスに強い関心を持ち、リディラバインターンに応募、1年間活動。
・(後者)VCでのインターン先を探しており、優良そうな候補を3つ程度絞ったのちに各社ホームページから直接連絡を取って現在もインターン中。(2020年5月現在で約10カ月目)
・(後者)リーガルテック方面のインターン先を探しており、仲介サイト先で推薦され応募した弁護士事務所から連絡が来ないので、業務内容が似ている事務所に直接連絡して採用され、半年程度活動。

 インターンのメリット・デメリット、具体的なおススメサイトなどは、人によって大きく変わってくる要素なので一概には言えない。ただ気になる方は、ググればまとめサイトで沢山出てくるので、そちらを確認してはいかがだろうか。
・インターンの種類について→https://01intern.com/magazine/archives/17060
・長期インターンのメリット・デメリットについて(Intern Streetさん)→https://internstreet.jp/articles/12
・長期・短期インターンのメリット・デメリットについて(Infraさん)→https://www.in-fra.jp/long-internships/articles/22
 また、こうした記事だけではイメージが湧きづらい人もいると思うので、UT-BASEではそれを支援するイベントを展開していく予定である。仲介サイトを運営する企業のCEOによる講演会や、インターンを募集している各業界の社会人との交流会などが6月以降行われる予定なので、ぜひUT-BASE公式LINE( http://lin.ee/bGnPaZ8 )を登録して詳細をチェックしよう。
 学生団体やサークル、バイトと並んで、インターンを学生生活の選択肢の一つに入れる学生が増えることを切に願う。ご精読に感謝したい。


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