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大学受験と生成AIと高校の現在地

 2024.06.22(土)東京都市大学等々力中学校・高等学校にて公開授業研が行われました。都市大等々力の中1〜高2までの全授業の公開と、外部講師を招いた公開セミナーを午前中だけでギュッとまとめて行う贅沢な会。教育関係者だけではなく、中高受験を考えている児童生徒・保護者も公開授業には参加できる形式で、受験関係約300人、教育関係者150人以上、1200人の生徒たちと等々力の先生方100人以上、合計2000人弱が携わるビックなイベントでした。
 色々と取り上げたい内容が多かった中で、個人的に一番印象に残ったのが、済美平成中等教育学校から来られた久門先生のセミナーでした。「アナログおじさんの出願書類・面接指導〜ときどきAI、シンキングツール等」というタイトルのセミナーの何が良かったかを、簡単に振り返ります。

1. 圧倒的おじさん

 根本的にICT等に長けている訳ではない、圧倒的なまでのおじさん感。何せ、登壇者たちはFacebook messengerでグループ作ってやりとりをしているのですが、SNSをやっていない。故に、同僚の門屋先生(37)が伝達役になる始末。何歳かは聞けませんでしたが、進路指導部長をされる年齢なので、結構良い歳だと思います。そんなおじさんが日々奮闘しながら、ロイロノートやChat-GPTなどを試行錯誤しながら駆使している話のリアリティがめちゃ刺さりました。

2. 理想と現実の現実より

 それでもって、指導の内容がめちゃくちゃリアル。 言い方は悪いですが、大学受験を見据えた教育って多くの高等学校のリアルだと思うんです。先日訪問させて頂いたかえつ有明さんとかは一種の理想ですが、全国の高校の99%はそこまで振り切れない訳で。結局、志望理由書の添削とか、志望する大学どうするかとか、指導が必要なんですよね。
 そこでChat-GPTなどの生成AIを駆使する訳ですよ。例えば、生成AIに対して大学のアドミッションポリシーを学習させて、その大学の面接官役になってもらう。或いは、アドミッションポリシーと志望理由書の共通項目を洗い出してもらう。
 けれども、最終的には久門先生がその生徒と対話して、そこはこうした方がいいのではないかなどの助言をする。完全に生成AIだけには任せられない現実、とは言え便利な部分での活用、先生としての関わり方、本当にリアルで引き込まれました。理想的な学校の在り方や、生成AIに任せ切る様な話も聞いてきた中で、とても現実的な中で理想だなぁと感じました。

3. まとめ

 新しく学校を作る、管理職など総入れ替えで再編する、などしてきた学校は本当にぶっ飛んでます。けれども、99%の学校はそんな事できない訳で。大学入試だって推薦やAO、選抜型が増えてきていますけれども、志望理由書を書いたりは必然で。現実的な課題に対してどの様にアプローチするのか?という点でとても興味深く、じっくりと聞かせて頂きました。
 ニーズがあれば、是非とも全国あちこちに久門先生with門屋先生を派遣したいと思います!!知らんけど。


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