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今月の読み終わった本【2020年8月&9月】

最近ふと「変革を起こせる人こそすごい」と思うことがあります。

つまり何かというと、「大きな成果を出すには、業界の常識にとらわれず変革を起こすことが必要」「変革のアイデアを実行する/させる能力と覚悟が必要」と、日々思っているわけです。毅然とした態度で変革を起こしている方々の姿を見ると、これまでアイデアはあっても実行に移す力と覚悟がなかった自分はまだまだだなと反省させられます。

そんな問題意識を持った今月は、こちらの本たちを読みました。

戦略読書

『CRM 顧客はそこにいる』『ビジネスモデル全史』などの著者である三谷宏治さんの最新作です。三谷さんは大の読書好きということで、本の読み方を教えてくれる本です。

そもそも、私たちは何のために本を読んでいるのでしょうか?

私は本を読むのが得意ではありません。でも、本を読んでいる時間が好きです。本を読んでいると、考えが巡って突拍子も無いアイデアが浮かんでくることがあります。そのアイデアは、生活を向上するものだったり、新しいビジネスアイデアだったり、物事を良くする前向きなものばかりです。結局読書の方はあまり進捗しないことが多いのですが、思考を巡らせるために本を読んでいます。

この本で紹介されているのは、自由になるために読書する、ということでした。自由になるとはどういうことでしょうか?自由になるためには、①想像力、②クリティカルシンキング、③メタ認知力が必要なのだそうですが、それらの能力が読書によって得られるということです。

だからこそ、読書には戦略が必要と言っています。ビジネス書ばかりに偏っていたり、読むだけで終わりにしてしまったら、自分自身がコモディティ化してしまいます。

2年で自分を変え、3年で世界とのつながりを変える。この言葉に勇気をもらうと同時に、奮い立たされました。年間100冊の読書は簡単なことではありませんが、今の努力が5年後の自分を変えてくれると信じて、戦略読書を実践してみようと思いました。

本書では、三谷さんおすすめの本もたくさん紹介されているので、本選びに困ることもありません。定期的に読み返したい1冊になりました。


「数字指向」のマーケティング

タイトルで気になって読んでみたら、Marketoの丸井達郎さんの本でした。どうりで見たことのある挿絵(キャプチャ)や聞いたことのあるワードが散りばめられていると思いました。

ありがたいこと(?)に今の職場でPardotからMarketoにツール移行をする経験をさせてもらう中で、Adobe社の方に導入支援コンサルティングに入っていただきました。Marketoの使い方だけではなく、営業プロセスに即したリードのフェーズ管理の考え方から、収益指標の計測方法まで教えていただきました。

本書でも、フェーズ管理や収益の計測の重要性を説明しています。言われてみれば当たり前ですが、獲得単価が高いほど必要なリードは少なくなりますよね。そんな「量より質」の重要性と実現方法が書いてあります。(とはいえ、言うは易く行うは難し、の領域ですよね。)

日々の仕事では件数や転換率に目がいってしまいがちな私ですが、Marketoを使いこなしながら、収益に貢献できるマーケターになれたらいいな。頑張るぞ。


マーケティング・ビッグバン

マーケティングトレースのオンラインサロンでお世話になっている長瀬次英さんの著書です。サロン内でのお話の随所で感じ取った「ユーザーファースト」や「インパクト」の考え方が散りばめられています。

中でも大きな気づきを得られたのは、「熱量」を大切にする考え方です。ユーザーファーストや現場主義の考え方の根底には、売り手側の熱量が買い手側に伝播して商品が愛される仕組みがあるんだと感じました。だからこそ、ブランドやコミュニティを育てるという思考になるし、あるいはマスではなく個に重点を置く思考になるんだと思います。

熱量の考え方は、マーケティング手法だけでなく自身のキャリアや組織にも置き換えられます。長瀬さんはご自身で「写真は別に好きじゃない」「紅茶よりコーヒー派」などと仰っていますが、好きかどうかよりも熱量があれば成果を出せると仰っています。これは人に対しても同じで、組織を作る際に、チームメンバーはそれぞれ熱量を持てるポイントが違うからこそ、各人に合った目標設定をしてチームとして最大限の力を発揮できると仰っています。

この本を読みながら、学生の時に日本酒に対して熱量を持ってマーケティングに取り組めていた時を思い出しました。日本酒には銘柄ごとに歴史やストーリーがあるけれど、あまり知られていない。ストーリーを知れば、もっと多くの人が日本酒を楽しめるのではないか。学生ながらにそんなことを考えて取り組めていた時があり、その思いを大切にしながら仕事をしてた時が本当に幸せだったなと、初心に帰ることができました。

マーケティングの基本的な考え方はもちろんのこと、今後自分がどのように生きていくべきか、改めて考えさせてくれるような一冊です。


任天堂 - 驚きを生む方程式

こちらは2009年に出版された本ですが、DSやWii、switchなどヒット商品を産み続ける企業の成功要因はなんだろうと気になったので読んでみました。歴代の社長や開発責任者などのキーパーソンに焦点を当てて、任天堂の企業文化や商品開発ストーリーが書かれています。

●使わないを起点とした「ゲーム人口拡大戦略」
Nintendo DSが発売されたのは2004年。当時小学生だった私は、ゲーム市場のことも、DSが"Dual Screen"の略だということも知らず、ただゲームを楽しむユーザーでした。

当時のゲーム市場は、同じくゲーム最大手ソニーとの競合の中で、ハードのハイスペック化がどんどん進んでいたそうです。高性能を売り出した「ロクヨン」の売上は振るわず、ゲーム人口が減っていく状況に危機感を覚える中、シンプルな操作性(タッチペン)とソフト開発が容易なプログラムを備えたDSを発売しました。

その後2006年に発売したNintendo Wiiも、実際に購入の意思決定者になりうる「お母さん」にフォーカスを当てて、リモコンが邪魔にならない、消費電力を抑える、ゲームというよりもテレビに近い感覚、などのコンセプトを持って開発されたそうです。

このように、市場全体の課題を俯瞰的に捉えつつ、個別具体的な「使われない理由」に焦点を当てたマーケティング戦略があったからこそ、ヒット商品を生み出せたのだなと感じました。

●「ソフト体質」と「ハード体質」
任天堂は、主にゲーム機を販売するハード側のメーカーです。なので、いくら良いハードを作っても、ソフトが売れなければゲームを使ってもらえません。任天堂の企業文化として、この「ソフト体質」があったからこそ、DSやWiiのようなハードが開発されたと書かれています。

これは本を読むまで知らなかったのですが、任天堂は創業当初、花札の販売からスタートしました。その後輸入品であったトランプやカルタを、日本人(特に一般大衆レベル)でも遊びやすいようにデザインや説明書を加えることで、大ヒットに導いたそうです。このような創業者の理念が、今も受け継がれているように感じました。ハードの企業がソフトを重要視する企業文化は、実践こそ難しいとは思いますが、本質的で素敵ですね。


今月は以上です。

ちなみに、冒頭の「変革を起こせる人こそすごい」と思ったきっかけは、オンラインサロンでの勉強会であったり、普段の上司を見ていたりの中で気づいたものでした。もちろん読書する中でも気づきはたくさんありますが、本当の意味で人を突き動かす気づきを与えられるのは、リアルな人間関係あってこそなのかもな、とも思った9月でした。

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