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上位1%投資家になる第一歩:SEC開示を読み解く

こんにちは、米国株式義塾です。 

「上位1%投資家になる第一歩:SEC開示を読み解く」第1回です。

このSEC開示を読み解くコンテンツは、約第50回で完結する、非常に長い連載となります。
一方で、「たった50回だけで上位1%を目指せる」ようになる連載でもあります。


この連載では、米国証券取引委員会開示(以下SEC開示)を見て理解する方法についての講座を行います。 

この「上位1%投資家になる第一歩」シリーズは、私達アメリカ株式義塾で取り扱うコンテンツの中で最も重要で、最も参考価値が高く、投資を行っていく中で「基礎体力」を向上してくれるものになります。多少難しい内容が続くと思いますが、ぜひ最後までお読みください。

24時間いつでも、ご質問受け付けています。このコンテンツに関する質問でも、私達に気になることでも、金融リテラシーに関することでも、何でも大歓迎です。コメント欄にどうぞ!

伴走

情報の格差

短期筋であっても長期投資を狙う投資家であっても、会社のすべてを知って投資するのと、何も考えずに投資することには雲泥の差があるでしょう。 
これまで、SEC開示分析について「専門的に」扱うコンテンツはほとんどありませんでしたが、アメリカ株式義塾が、SEC開示のすべてを一つ一つ丁寧に解説していきます。

SEC開示をしっかり読める人たちはすでにアメリカ会計士(AICPA)を取ってウォールストリートの事務室でコーヒーを飲みながら働いているでしょうが、この連載では、皆さんもSEC開示が読めるようになるようサポートします。
SEC開示を読むことは皆さんがレベル30の投資家を目指す上で必要な武器です。

SEC開示を全く見ない大部分の投資家が知らない良い会社を先に発掘して投資すれば、莫大な収益を得られる機会をつかむことができます。
それでは、早速第1回を始めましょう。
第1回ではSEC開示を読むことの重要性と、SEC開示とは何かについてご説明いたします。


SEC開示が読めるとなぜ投資に役立つの?

SEC開示は会社の現在の状況を最も透明かつ正確に示す指標です。 

もう一度言います。最も透明、かつ正確!

大きく分けて以下3つの理由で投資に役立てることができます。

第一に、市場の関心がとある銘柄に集まって株価が急騰している時、SEC開示が読めれば、会社の価値をじっくり、しっかりと把握し、投資をするべきかどうかに対する自分だけの基準を決めることができます。

第二に、インサイダー取引、オファリング、社債の発行、M&Aにおける自己資本比率、従業員に対するストックオプション(SO)の支給など株価に大きな影響を及ぼす要素がこれまでどのように推移してきたのかを確認し、その会社の株価の下限と天井を予測することができます。

第三に、まだ市場の注目を浴びておらず、過小評価されている会社のSEC開示を見て、財務状況が良く、会社のビジョンと目標が明確で、その会社が目標達成に向けて着実に前進しているという根拠があれば、一足遅れて投資する多数の他の投資家よりはるかに早く、はるかに低い価格であらかじめ投資することができます。

要するに、SEC開示分析は絶対に投資してはならない株に投資しない根拠と、投資する価値が十分にあるが、過小評価されているバリュー株に積極的に投資する根拠を与えてくれます。自分だけの確実な根拠があれば、この株が良さそうなんて悪魔のささやきが聞こえても動揺することなくバリュー投資ができます。

アメリカ株の代表走者NASDAQ


皆さんが行っているのは、「投資」ですか、ギャンブルですか?

SEC開示を読めば再現可能な投資ができる? 

SEC開示の話をすると、皆さんの周りにも必ず、「え、「私はそんなものを見なくても、米国株の急騰株に投資して数十%、数百%の利益を得られた」という人がいるでしょう。でも、そのような人はアメリカの株式投資をしているのではなく、ただギャンブルをしているだけです。ギャンブルをするならラスベガスにでも行ってバカラをすれば47%確率で勝つことができます。ただし逆にいうと、47%の確率で負けてしまうわけです。

すなわち、カジノのように米国株式投資をしてしまっては運次第で勝ったり負けたり…再現性がありません。運任せで資産運用をしてしまったら、一生綱渡りをしているようなものでしょう。

持続可能で安全で収益率もある程度確保できるような米国株式投資のためにはSEC開示などを通じて会社を分析する過程が必要です。


SEC開示って正確には何?

ちょっと待って!SEC開示って何?と思っている方も多いでしょう。
安心してください。ご説明しますよ。


Appleのような超有名企業も例外なし。上場企業は必ず、SECにこういう書類を開示します。

SEC開示はナスダックとニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したすべての会社が必ず提出しなければならない文書です。SEC開示で私たちが知ることができる情報は非常に多くあります。企業の情報を知って投資すれば、知らずに投資するよりはるかに有利な立場で投資できます。 
では、どんな情報が載っているのでしょうか?

SEC開示では投資に役立つ何が分かるの?

8つの大項目があります。

1. 会社紹介と会社の競争力、現在のリスクを含めて説明される会社の説明書
2. 会社の短期的そして長期的なビジョンと現在進める事業についての紹介
3. 会社のCEOおよび取締役会メンバーの略歴
4. 大株主の持株比率、職員数と保有している各種不動産、動産の状況
5. 支給したストックオプション(SO)の数量と金額
6. 年間および四半期ごとの損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書をすべて含む財務諸表
7. 株価に変動を与えかねない重要なイベント(例えば、オファリング、社債発行)の予告
8. インサイダー取引

投資の「基礎体力」

このように、企業に関するすべての情報が定期的にSEC開示に上がります。 SEC開示はその企業に対する最も正確な説明書だと言っても過言ではありません。もちろん、ある程度の歪みはあるかもしれませんが、SEC開示で虚偽の内容を申告すると、米国連邦証券法(Securities Act of 1933)違反の疑いで証券取引委員会の調査を受けることになり、虚偽の程度がひどい場合、あるいは意図的に定期開示を上げない場合、最悪の場合には上場廃止となってしまう可能性があります。よって、ほとんどの企業は正確な開示に心がけており、それ故に最も正確な説明書だと言えるのです。



一度虚偽の報告をしてしまっただけでも上場廃止に?!

そうなんです。アメリカの証券法は非常に厳しいのです。一つ例を挙げてみます。

GTT(GTT Communications Inc)は2021年上半期から四半期報告書を提出しなかった上、過去の財務諸表で虚偽の開示をした可能性が非常に高かったため、証券取引委員会(SEC)はGTTに今年7月頃に最終通告を出したが、GTTはそれをぷいっと無視して提出しませんでした。そのため、GTTはSECの開示が間に合わなかったという理由でニューヨーク証券取引所から上場廃止されて追い出され、OTCMKTS(場外市場)に下がり、株価は2ドルから0.26ドルに暴落しました。
 


本日のポイント

  • SEC開示を読めるようになれば、絶対に投資してはならない株を見分けるための根拠と、まだ過小評価されているバリュー株を見分ける根拠が分かるようになる。

  • SEC開示は、ナスダックとニューヨーク証券取引所に上場した企業が必ず提出する文書であり、企業の最も正確な説明書といえる。

第1回では、SEC開示を読むことがなぜ重要なのか理解していただけたかと思います。


次回予告


「これで完璧!企業種別のSEC開示の読み方」

*次回から本格的な内容に入る予定ですので、お見逃しなく。

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