子ども向けワークショップデザイナーのキャリア形成仮説 ー大人向けへの転用もしくは学校化

先週は会社の仕事が夏休みで、のんびりと過ごした。コロナの拡大はえげつなく、知人・友人がことごとく感染していく。自分も5月に感染したが、次はいつかかることやら、ヒヤヒヤしながらも、それでも自宅に篭るのは嫌なので、夏休みもちょこちょこお出かけをした。

知人がとある文化施設の立ち上げに関わっており、その施設の建設予定地に下見に行った。帰りに、日比谷のミッドタウンで買い物をしようとしたが、子どもたちが走り回ってもう大変で、何も買わずにアイスコーヒーとフルーツジュースを飲んで帰った。

美容院に行って髪も切ったし、イベントにも登壇したし、あとは範宙遊泳と演劇の対話型鑑賞の実践もした。まだログが残っているのでよかったら聞いてください。

そして、メインイベントはKAATのキッズプログラム『さいごの1つ前』の鑑賞だった。感想はまた改めて書くが、子どもとパートナーとこの演劇を見ることができて本当によかった。長らく会っていなかった友人家族にも偶然会えて、ハッピーだった。

さて、そんな夏休みの間寝かせてしまった、前回の続きを書く。子どもに向けたワークショップデザインのスキルを持っている人はたくさんいる。そのなかでも、クリエイターやアーティストと共同で企画をつくる「翻訳者タイプ」と、自分自身の創造的専門性を発揮して企画をつくる「オリジナリティタイプ」に分かれることを前回の記事で描き出した。

今回の記事では、そこからさらに発展したキャリアを描く方法を考える。

子どものワークショップは、1回にかかるコストが高い。20人以下の人数の参加者を集めた企画に、コストをかけて企画する。一人一人の記憶には深く残っていくが、社会的なインパクトを残すのがなかなか難しいのだ。やり方によっては100~200人集めることも可能だ。さらには子どもと制作した作品を、映像・演劇・造形作品としてアートやデザインの文脈に置き直すこともできる。そうして社会的なインパクトを生み出すことは可能だ。

しかし、そうしたプロジェクトは広告や政策と結びついているケースが多い。ワークショップデザイナーの自律した理念をワークショップに込めながら事業として成立させるには、複数のポイントがありそうだ。

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