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お湯に しょっぱい を溶かしただけのスープ


いつから泣いていないんだろう。


大学生の頃までは大笑いするたびに号泣、と呼べるレベルで涙を流していたし、友人の失恋話を聞けばまるで自分が恋を失った当事者かのように涙を流していて、またこいつ涙の安売り大セールしてるよ、と言われていたほど。


それなのに北海道へ来てからめっきり泣く回数は減ってしまった。減った、と思っていたけどそう書きながら職場では何度も泣いていることを思い出した。

失敗した自分が悔しくて泣いたり忙しさに心がズサズサボソボソになって最終的に壊れたように泣いたり。結構泣いてるわ。じゃあなんで最近泣いてないな、なんて思ったんだろう。

私が言いたい"泣く"っていうのは、誰かと一緒にいる時に流す涙のことなのかもしれない。

誰かと笑いすぎてお腹よじれながら流す涙とか、誰かの気持ちをコピーしたかのように自分も感じてその人のために流す涙とか。

自分ひとりでではなくて自分のためでもなくて、誰かと一緒に、誰かのために私は涙を流したいのかもしれない。

そんな涙はやっぱり北海道へ来てから流してない。寒すぎるあまり私の体内にあった涙が全部凍って雪と一緒に溶けて消えてしまったのかな。なんてふらっと入った喫茶店でお湯にしょっぱいを溶かしただけの味がするスープをすすりながら考えてた。


#コラム #エッセイ #日記 #まるみのあるうそ

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