イエベ秋の呪い
最近、巷でよく聞くようになった言葉
「 ブルベ 」 と 「 イエベ 」
私はある日、念願叶って
プロに診断して貰えることになった。
会計で、躊躇いもなく24000円を支払う私。
(興味ない人は驚愕する金額だと思うけど、2020年やりたいことリスト100選に入れていたほどやりたいことだったのでこの金額はお安い御用だった)
診断してもらった結果、私は典型的な
イエベ秋だということが判明した。
そしてちょっと大袈裟に言うと、その日から
私の生活が、見える景色が、すっかり変わった。
またたくまに家のクローゼットは
イエベ秋ばかりで埋め尽くされた。
クローゼットの中身を表すと
茶 茶 茶 黄色 ベージュ 茶 茶 カーキ 茶
茶 茶 茶 アイボリー 茶 柿色 茶 茶 茶
といった具合。全部イエベ秋。とにかく茶色い。
選ぶ文房具も、イエベ秋。
黒いインクではなく茶色のインクのボールペンを買った。
寝具もイエベ秋。
シーツも布団カバーも枕カバーも全て茶色。
こうしてわたしの生活は
イエベ秋で埋め尽くされていった。
ああ、まんまとイエベ秋に翻弄されてる…
と、自分でも少し気にし始めていた頃、
街を歩いている時に鳩の集団に遭遇した。
団体行動の中に1匹だけいる白い鳩。
いや、よく見ると白くない。
なんとなく薄汚れている。
薄汚れいてとてもじゃないけど白いとは言えない。
ちょっと洒落た言葉で言うと、それはアイボリー。
もっと近づいてみると、その鳩の体には
牛の模様のような、シミのような、汚れのような
茶色いまだら模様がいくつもあった。
その茶色を見て
「あ。この鳩はイエベ秋だわ」
と、なんの躊躇いもなく思ってしまった瞬間
さすがにこれは脳内がイエベ秋に征服されてる…
と、呆然となった。
これはもはや呪いだ。
診断を受けたあの日から、もう完全に
イエベ秋の呪いにかかってしまった私は
今もまだその色鮮やかな呪いに染まったまま。
そんなイエベ秋オンナの待ち受け画面は
茶色い壁と服に包まれた、バナナマンです。
まだまだ呪いは続きそう。
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