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はっきりさせない むずがゆさ

中学一年生の次男と本屋を歩いていたとき、
ある恋愛小説が平積みにされているのをみて、
「これ、面白いって人気なんだよ。」って教えてくれた。
「でも、僕は恋愛小説って読まないんだけどね。」と次男。

私も恋愛小説の類はほとんど読まないので、
「ママもそういうのは読まないな〜。」とコメントした。

「ハッピーエンドかそうじゃないか、そうじゃなければ死んじゃうか。そういうどっちかはっきり決まってるわけだし、そういうのってあんまり好きじゃないんだよね。面白くないと思う。君の名はの終わり方がモヤモヤして好きじゃないって友達が多いけど、僕はそう思わない。」
次男は一気に喋って、楽しそうにニコニコしていた。

気持ちが宙ぶらりんでとどまることを、苦しいではなくひとつの状態として捉えている中学一年生の男の子の言葉をきいて、自分なんかよりずっと生きることに可能性を見いだせる人なんだろうなと感じた。

はっきりさせない むずがゆさを楽しめることが羨ましく、そんな人が自分の息子としてあと何年かは日々一緒にいてくれることが幸せで、一緒にいられるうちに彼からたくさんのものを吸収させてもらおうと思った。


最後まで読んでいただけて嬉しいです。 興味をもっていただけたら、♡お願いします。