目指してた、これでよかった
わたしには好きなひとがいた。今でも変わらず大好きだけれど、もう会っていないし、そのひとの気持ちに期待するのもやめたので、好きだったひと、なのかな。もう長いこと会っていないけれど、訳あって関わる機会は続いている。好きだけれど会わない、でも関わりだけはある、そんな縁のない腐れ縁みたいな、よくわからない状態がずっと続いていたのだけれど、きょう、それがついに切れる方向に動きはじめた。好きなひと当人は不在だったが、色々と見直そうという話になって、わたしの口から、その縁のない腐れ縁を切ろうとする発言が何気なく飛び出したのである。別に切ろうという強い意思があったわけではない。勝手に口をついた。気付いたら縁切りの言葉が出ていた。ちょっとショックだったけれど、悲しくはなかった。好きなひとに期待するのはもうやめよう、遠くから傍観していようと誓ったあの夜から、ずっと目指していたこと。わたしはあなたのことが好きだけれど、それはあなたには関係のない話で、あなたにはあなたなりの人生を生きてほしい。あなたは自分の力で生きていける素敵なひとなのだから、あなたのそんな生き方を好きになったわたしにできるのは、あなたの人生をできるだけ邪魔しないこと。そんなことをずっと考えていたから、自然と縁切りの言葉が出たのだろうと思う。好きなひとをこれ以上手元につなぎ止めても、好きなひとのためにならないんじゃないか、そんなことをずっと考えていたから。うん、これでよかったんだ。話がひととおり済んで、だれもいない道をひとり歩きながら、独り言が漏れた。あなたのことが好きでした。いまでもとっても好きだし、この気持ちはしばらく変わらないと思います。直接伝える機会はなかったけれど、それでよかったし、どうか気付かないままであなたらしい生き方をしてね。もしかしたら気付いているのかもしれないけれど、そのときは知らなかったことにしてね。とっても楽しかったし、いい経験ができて感謝しています。あと少しの間だけよろしくね。安っぽい言い方で申し訳ないけれど、あいしています。どうか元気でね。
わたしはいつも日記を書く代わりに短歌を詠んでいる。きょうはこんな歌を詠んだ。
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