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図工の先生、引退します。

8年間、図工の先生をやってきました。
図画工作専科教員。図画工作科のみの授業をやる先生です。

美大出でもない、アーティストでも、クリエイターでもなんでない僕が突如その役割をもらってからとにかく学び、実践して、悩み、考えてはまた実践して。。。を繰り返してきました。

2014〜2020年は公立校で4、5、6年生を担当していました。6年間在籍して、約1000人の子と図工をしました。めっちゃくちゃ楽しかった。ここで感想を書き始めるとキリがないのでやめておきますが、僕の宝物の6年間です。

4年生は年間60時間、5、6年は50時間の授業をします。それを各学年4クラスなので、
60×4クラス+50×8クラス=640時間
これを6年間やってので、3,840時間。
イレギュラーな授業も加えれば、約4000時間の図工の授業をしていたことになります。

回数でいうと基本2時間で1回分なので、年間340回、6年で約2000回授業をしたことになります。

学校外でワークショップもたくさんやったつもりでいましたが、8年で100回くらい。
6年間で2000回って数を見るとその比じゃない。。。学校の授業っていうのはやっぱりすごいな、と思いました。

2020年4月からはVIVISTOPをつくるために今の職場、新渡戸文化学園に移り、いち教員としてオンライン授業や一人一台iPad環境下での授業、VIVISTOPという環境を活用した授業、教科横断型の授業、企業連携授業などなど、新しいことにチャレンジをしてきました。 

直近の2年間も、一応図工の先生ではあったのですが、公立の頃の「図工の先生」とはちょっと違う感覚でした。それは、純粋に「図工」と向き合っているというよりも、「学び」そのものについて考えていたと言えるのかもしれません。

これからは一層VIVISTOPという環境を活かし、教科の枠、学校という枠を超えて、こどもたちと一緒に未来を創っていきます。そのために僕は「図工の先生」の役割を降りることにしました。

今年度からほとんど小学校の仕事をしていない僕は、図工の先生の役割がなくなると、いよいよ小学校の先生でもなくなります。

ぼくの役割は、VIVISTOP NITOBEを編むことです。

ヒトとヒト、モノとコト、ヒトとモノ、ヒトとコトとが偶然出会い、ジェネートされて生成されていく場に僕自身も没入しながら、学校の中にあるVIVISTOPとは何かを悩み続けて、みつけて、集めて、編んで、伝えていくことが僕の仕事なのだと思っています。

「未来を創るのは、子どもたちの好奇心。」

VIVISTOPは、そんな子どもたちの好奇心が持つ可能性を信じるVIVITAが、その可能性を最大限に広げるために運営している「クリエイティブ・フィールド」です。

ここVIVISTOPにはカリキュラムがなく、先生もいません。ここは子どもたちがあらゆるものから解放され、自由に自分の好奇心や興味、やりたいことにとことん向き合い、突き詰めていくことのできる場所です。

子どもたちのアイデアを実現するための多様な機材やツール、素材の揃うこの環境で、アートやテクノロジーを活用し、世界各国にいる多様な人たちと共創しながら子どもたちが自分の可能性を信じ、未来を創っていくためのサポートをしています。
VIVISTOPとは?(VIVITA HP)

「先生」という肩書きは今日でバイバイ。
(とはいえ、学校で働く以上そう呼ばれ続けるのだろうけど。。。笑)名もなき肩書きの、自分に与えられた場とその役割を精一杯やり遂げてやろうと思っています。