旧姓使用の拡大は「選択的夫婦別姓」よりも優れている

旧姓使用(正しくは旧氏使用と言うべきだと思うが、めんどくさいので旧姓使用とする)が拡大が今後さらに進み、旧姓を名乗れないケースがほぼゼロになれば、女性は(女性に限定するのも正しくないが、結婚で改姓するのは大半が女性なので)実家の姓(氏)と男性の姓(氏)を両方名乗れて、しかもTPOに合わせてどちらでも好きな方を名乗れるわけだから、「選択的夫婦別姓」よりも明らかに選択肢が多いし、結婚時に揉めることもなくなる。

しかも、「選択的夫婦別姓」を導入するとなれば、既婚者に対しても遡及適用するかどうかで、もう一揉めすることになるだろうが、「旧姓使用」であれば、既婚者も自由に名乗れるわけで、この点でも「旧姓使用」のほうが優れた案であると言える。

こうなると「選択的夫婦別姓」は政策アジェンダとしての存在意義を完全に失うわけだが、立憲民主党は愚かにも「選択的夫婦別姓」を次の総選挙の選挙公約の筆頭に挙げ、TVCMまで作っている。仮にも政権交代を訴えている野党第一党がこの超絶センスのなさ。ありえんだろ。

おそらく世論調査で国民の大半が賛成していたから「いける」と勘違いしたのだろうが、その賛成の大半は「自分には関係ない話だけど、質問されれば特に反対する理由もないから賛成って言うよね」っていう程度の話でしかない。一方で国民の関心が高いと考えられる消費税については「5%にする」と言ったり「いやそれは努力目標」と言ったり、言うことがコロコロ変わって結局どうしたいのかサッパリわからない。国民はこういう曖昧な態度を取る政治家を嫌う。

このように、国民の関心度という意味での争点選びにも失敗している上に、その選択ミスをしてしまった争点すらをも「旧姓使用の拡大」によって潰されるというのは、二重の意味で選択ミスと言わざるを得ない。

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