予想通り藪蛇だった日本学術会議問題
各社の世論調査が出そろってきて、やはり日本学術会議問題では菅内閣よりも会議に対する風当たりのほうが強いことが分かってきました。
まずはJNN(TBS)から。
見出しでは「首相の説明が不十分」であることを強調したい意図が透けて見えますが、
説明が不十分=56%、十分=21%
会議の見直しに賛成=66%、反対=14%
と、首相に説明を求める声よりも、学術会議の見直しを求める声のほうが大きいことが分かりました。また、これは全社に共通して言えることですが、首相の説明を不十分だと考える層からも、学術会議については見直せという声が多いことがハッキリとわかります。
続いて毎日新聞
こちらは少し設問が違っています。
任命拒否は問題だ=37%、問題ない=44%
会議の見直しは適切だ=58%、適切でない=24%
なんと、任命拒否は問題ないと考える人のほうが多いことがわかりました。
続いて読売新聞
首相の説明は納得できない=56%、納得できる=33%
会議の見直しを評価する=70%、評価しない=19%
続いて日経新聞
説明は不十分=70%、十分だ=17%
組織の見直しに賛成=62%、反対=22%
日経新聞は他社とは違い、見直し賛成派よりも説明不十分派のほうが多くなっていますが、いずれにしても、組織の見直し賛成が多数派であることに変わりはありません。
最後はNHK。
説明は不十分=62%、十分=17%
会議の検証は適切=45%、不適切=28%
NHKでは、学術会議のあり方を検証することは適切と答えた人が他社よりもやや少なく、過半数を割っています。不適切と答えた人も他社よりもやや多い気がします。
しかし、全社共通していえることは、日本学術会議のあり方は見直すべきだという意見が多数派を占めており、菅内閣と日本学術会議は相討ちのような恰好になってしまっています。これは、最初に大騒ぎした6名の学者と日本共産党にとっては想定外だったんじゃないでしょうか。
これには、松宮孝明教授や、川勝平太静岡県知事などの、傲慢極まりない天狗発言の影響もあったと思いますが、そもそものアジェンダ設定が間違ってたということだと私は思います。
仮に、この問題で菅政権を潰せたとしても、菅の代わりはいくらでもいますが、政権1つ潰すために日本学術会議が潰されてしまったら、彼らの損失のほうが大きいでしょうに。しかもそれで政権を潰せたのならまだしも、全然支持率に影響してない(NHKや読売新聞では内閣支持率が微増しています)のが笑えない。
この問題は、共産党が騒がなければニュースにすらなってなかった話なので、私は必ずしも菅首相の策略が見事だったとかそんな格好いい話だとは思いません。共産党と学術会議が勝手に墓穴を掘っただけだと思います。
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