結局、リベラルの皆さんは日本の政治をどうしたいわけ?

第2次安倍政権(正確には第2次~第4次安倍政権)は計7年8ヶ月続いたわけですが、これだけ長期に渡って続いたのに、ついぞ憲法改正に着手すらできなかった。安倍は独裁ヤメローとか言うけど、枝野代表は「議院内閣制だから政権取っても一気に全てのことは変えられない」と正直に白状しておられました。流石は内閣官房長官を経験されただけあってよく理解されておられます。

過去30年経済成長が止まっていたのは自民党のせいだ、という主張もあります。確かにそれは一面では事実だと思います。ですが、じゃあ民主党政権時代の3年3ヶ月はどうだったのかというと、これもロクな結果を残せませんでした。そもそも、日本の政治は、議院内閣制云々という以前に、政治家の権力を、弱めよう弱めよう、という方向に数十年間ずっと世論の圧力が働いていました。マスメディアの、政治家が悪いことをしたら叩くのに良いことをしても褒めない、という報道姿勢にもその一因があったように思います。

安倍政権が独裁とか、ちゃんちゃらおかしいわけです。「古き良き自民党」とやらの派閥領袖たちと比べたって、安倍首相(当時)の権力なんて、たかが知れてたと思います。だって、配れるお金がないもん。昔の派閥領袖は、金を配りまくってそれで権勢を高めてきたんですからね。安倍氏にはそれがなかった。「安倍一強」じゃなくて、政治家全体が弱っちくなっただけなんですよ。

じゃあ、「古き良き自民党」の金権政治が良かったのか、と言われると、これもまた微妙な問題ですが、少なくとも、モリカケサクラ程度のしょうもない話で大騒ぎしているのを見ると、日本の政治がかつてのような金権政治に戻ることは、好むと好まざるとに関わらず、まず無理な相談でしょう。

安倍首相が目指した緊急事態条項を盛り込む憲法改正ですら「ファシズム」などと言って批判する勢力が大きな勢力となっている現状、政治家の権力を高める方向には、どう転んだって進みそうにない。そんなことは誰も望んでないから。実情は「安倍独裁」からは程遠い、のが現実でした。

政治家からどんどん力を奪っておきながら、責任を取れ、責任を取れと囃し立てるだけの無責任なメディア、野党、そして有権者。これは昭和初期の戦前の日本の姿にも似てますが、幸か不幸か、今の日本には政治家から奪った権限を預けるような天皇も軍もいません。天皇はいますけど昭和初期と違ってただの象徴ですし、自衛隊はいますけど戦前と違って政治には関われないことになってます。

要するに、今の日本は、誰もコントロールできない状態になってると思います。無法地帯とまでは言わないが、個人の自由が相当強くなっている。ネオリベラリズムの風が吹いていると思います。

ですが、皆さんの実感として、自由が拡大している、という感覚はないと思います。そりゃ当然です。自分の自由と他人の自由は、基本的にぶつかりますから。そして両者の自由がぶつかったら、基本的には強い方の自由が勝つ。そして敗者の自由は結果的に狭まる。これが「機会の平等」ってやつです。機会の平等は、結果の不平等をもたらします。じゃあ、国家権力を強めて、結果の平等を追及していくのが良いのか?そんな世の中、誰も望んでないですよね。日本を旧ソ連みたいにしたいと思っている人は誰もいないはずです。

日本の自称リベラル勢は、弱者に優しい政治をとか、福祉の充実を、とか言いますが、その反面、ネオリベラリズムをガンガン推し進める主張(ダイバーシティとか国会議員を減らせとか)も同時にしていて、まさにブレーキとアクセルを同時に踏め!みたいなことを言っているわけです。それは与党・自民党もぶっちゃけ大差ないっちゃ大差ないわけですが。

ぶっちゃけ政治家がここまで弱くなると、有能な人材は誰も政治家になろうとしません。事実として、西村博之も夏野剛も竹田恒泰も三浦瑠麗も茂木健一郎も津田大介も野間易通も太田啓子も石川優実も、誰も選挙に出ないじゃないですか。ま、彼らが有能かどうかは別として。誰も選挙に出ないくせに、やれ世襲をやめろとか、やれタレント候補を出すなとか、そんな批判ばかりが巷に溢れてる。違うでしょ。世襲やタレントみたいな馬鹿しか政治家になってくれないのが現実じゃん。

結局、自称リベラル勢が掲げている「反権力」っていう看板自体が、矛盾の塊なんだよね。全ての権力を否定するならネオリベラリズム、ひいてはリバタリアニズムに行くしかない。そうじゃなくて、自分(たちの勢力)が、今の権力者に取って代わりたいだけなら、それは「反権力」ではないでしょ。百歩譲って「反いまの権力」程度でしかない。もっとストレートに言うなら「反自民」。これは決して「反権力」ではない。自称リベラル勢は、この2つを都合よく使い分けてるから、どっちが本音なのか全然見えてこないわけです。ブレーキを踏みたいのか、アクセルを踏みたいのか、どっちなのか態度を鮮明にしてほしいわけですが、多分彼ら自身、分かってないと思いますね。いったい大学で何を学んできたんでしょうね。日本の大学教育を根底から見直したほうが良いかも。だって丸川珠代議員や、小西洋之議員みたいなのが東京大学卒業だったら、別に法政だろうと成蹊だろうと大差なくないですか?どっかの知事じゃないけど「単位を取るために大学を出られた」議員は、たとえ東大卒でも何の価値もないと思います。てか、そもそも今の大学、上野千鶴子や山口二郎みたいなのが偉そうにふんぞり返ってるのがそもそもおかしいわけで。あんな連中から学べることなんて何もないわな。

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