小説 「アナログ」感想(ネタバレあり)

小説 「アナログ」感想

読むきっかけ

日頃、Audibleで本を聴いているのですが、ふと、
ビートたけしが書いた小説ってことで何気なく聴いてみました。

内容(アマゾンより)
たけしがたどりついた“究極の愛”。

狂暴なまでに純粋な、書下ろし恋愛小説。
「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」すべてがデジタル化する世界で悟とみゆきが交わした、たったひとつの不器用な約束。
素性も連絡先も知らないまま、なぜか強烈に惹かれあう二人の、「アナログ」な関係が始まった。
いまや成立しがたい男女のあり方を描き、“誰かを大切にする”とは何かを問いかける渾身の長編。

感想
恋愛小説の皮を被った、純文学。
この本聴いて、まさにタイトルの「アナログ」の言葉の良さが
素晴らしかった。
「アナログ」の意味は
情報を連続的な量として扱うこと。そういう仕方の情報処理方式。
であるが、非常に分かりにくいが、
ここでいう「アナログ」という言葉の表現は、「一昔」と置き換えていいと思う。
対義語の「デジタル」は「今」もしくは「最新」って言葉がしっくりと来る。
 物語の主軸である、二人の恋愛模様は、実に「アナログ」的で、
今の社会、タイパ・コスパが基準である中、「アナログ」の効率の悪さや、
歯がゆい気持ちの心地よさを体験させてもらっている。
 親とのやり取り、伝統の形、友人との付き合い方、仕事仲間との距離感、
「デジタル」な時代に、「アナログ」の良さってこうゆうことじゃないのと、語りかけて来る空気が凄く心地良かった。
なんというか、「無駄の意味」を再認識させてもらった。
 でも、さすが、ビートたけし、最後にちゃんとカウンター的「デジタル」の良さも入れて、しっかりと、「今」の存在感と大事さをまとめてくる素晴らしさ、やはり天才・エンターテイナーだと感じました。
言葉ではない、形を感じさせてもらった作品です。
 ぜひ、人と語りたい作品だと感じました。
映画も見てみたいが、こっちでやってないのが、非常に残念。

この本テーマで、読書会したいなー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?