「成功」って何だろう?

私たちは、どんなことをやるにしても「成功」したいと思って取り組んでいると思う。

では、「成功」とは、何だろうか?

・目標としていたタイムや順位で走ることができたこと

・出場したいと思っていた大会に出場できたこと

・社会的にある一定以上の地位を得たこと

いろいろあると思うけれど、いずれにしても、一定の水準を満たしている状態なのだと思う。

例えば、5000mを13分台で走ることを目指している人がいたとしたら、14分01秒で走ったとしても、それは成功とは言わないだろう。

13分59秒99以内で走って、初めて成功と言うのだと思う。

ただ、ここで1つ問題がある。

13分台で走ったとして、世の中の人たちは、成功者として認めてくれるのだろうか。

これは、何とも言えない。

例えば、13分台で走った後、その実績が評価されて、行きたかった実業団に入ることができたとする。
これは、成功者と言ってもいいだろう。

しかし、13分台で走ったことにより、大ケガをして引退することになったらどうだろうか。
これは、成功者とは言えないと思う。

13分台で走ったけれど、それまでの投資額が多すぎて自己破産したとしても、やはり成功者とは言えないと思う。

つまり、目標を達成した(=成功した)としても、その後不幸だったら、世の中の人たちは、成功者としては認めてくれないのだ。

そして、目標を達成(=成功)しても、幸せになれるとは限らない。
目標を達成(=成功)することの延長線上に「幸せ」が無いこともあるからだ。

ただ、私たちが勉強したり、進学したり、就職したり、趣味をやったり、結婚したりするのは、全て「今よりも幸せになる」ということが土台にあると思う。

というのも、不幸になるために進学したり就職したりするのではないのだから。

そう考えると、成功することの延長線上に幸せが無いのであれば、成功を掴み取らなくてもいいのかもしれない。

世の中には、宝くじを当てた人が、その後不幸になったという話もある。

マネーを成功の基準の1つだとしても、マネーをたくさん持っているのに不幸な人はいるし、逆にマネーを持っていなくても幸せな人もいる。

速く走ることが成功の基準だとしても、速いランナーが幸せとは限らないし、むしろ速いランナーの方が、苦悩を抱えていることだってある。

やはり、「成功」と「幸せ」は別のものだと思う。

ただ、それが分かっていても、「幸せ」を捨てて「成功」を掴もうとする人もいる。

だからこそ、トップランナーには荒んでいる人が多いと思う。

強い人は、弱い側面も持ち合わせている。
精神的に不安定だったり、人付き合いが苦手だったり、価値観を共有できる人も少ない。

そして、満たされていなかったり、病んでいたり、とにかく誰かの支えが必要なことが多い。

力は孤独を連れてくる。

成功を掴もうとすればするほど、走る時間が増えて、家族と離れていき、そして、価値観の基準も走ることを中心としたものになっていく。

それでも、やっぱり幸せを掴むべきだと思う。


幸せになるためには、何が必要なのだろうか。

「自分が走ることで、誰かの役に立つ(誰かが喜んでくれる)こと」

やっぱり、これを見つけるしかない。

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