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「カメラは見た目で選べ」の深い理由

学生時代、サークル活動で写真を撮ることがよくあり、毎週のように通っていたカメラのプリント屋。そこのおっちゃんとは、プリントができるのを待ちながら、しぼりやISOなどいろんなカメラ用語だけではなく、就活の悩みを聞いてもらったりと本当にいろんな話をした。

何回も通っているうちにカメラに興味が湧き、一眼レフを買うことにしたので、おっちゃんに、どんなカメラがいいかと尋ねた時、意外な答えが返ってきたことを今でもよく覚えている。

「カメラは見た目で選んぶんや」

と一言だけいわれたのだ。いつも冗談ばかり言っていたので「またまた、ちゃんとおしえてよ」と言ったが、珍しく真顔で「いや本気やで」とおっちゃんは説明を続けた。

「カメラを上手くなるには、たくさん写真を撮らなあかん。でもそのためにはずっとカメラを持っておかなあかん。だから、自分がいつも持ちたい、見た目が好きなカメラを選ぶねん」

そういいながら、おっちゃんは、自分のカメラを私にわたし、レンズを覗かせてくれた。

「あとは、構えて見て、しっくり来れば買えばいい。それだけや」

翌日、大阪駅前ビルにある中古カメラ屋さんに行き、中古カメラを1万円で購入した。おっちゃんの言うとおり、見た目で選んだカメラは、使えば使うほど気に入って、今も大切に手元においている。

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