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王将 出町店のような「まあ、ええやん」が当たり前であってほしい

餃子の王将出町店(京都市上京区)が、10月末で閉店するというニュースが京都新聞に掲載されていた。このお店は、「皿洗いで食事無料」のサービスが有名で時々テレビで取り上げられたりしていたので、知っている方も多いと思う。

具体的には、お金がない学生がご飯を食べた後厨房に入ってお皿を30分洗えば、ご飯代は無料になるというものだ。今回の記事で知ったのだが、最近は前日からご飯を食べていない人には皿洗いもなしで無料で食べさせてくれるサービス(もはや奉仕であるが)もあったようだ。

ぼくは飲食業会で働いているわけではないが、この記事を読んでいて感じたのが、自分の職場で「このようなサービス、逆立ちしてもできないだろうな」と言うことである。みなさんの職場でも同様ではないだろうか。

そもそも、サービス開始にあたって様々な検証が必要になる。例えば、学生に皿洗いをさせるのは「労働契約になるのか」から始まり、「学生がお皿を割ったら弁償させるのか」、「学生がお皿で手を切ったら保証できるのか」とか、法律の専門家が入って喧々諤々(けんけんがくがく)の議論になってしまいそうだ。しまいには食品衛生法上、厨房内に学生を入れていいのかとか言うつまらない指摘も入ることになるだろう。

おそらくこの店主さんは「何かあったら俺の責任」、学生のためなんやし「まあ、ええやん」という気概でこのサービスを続けておられたのだと思う

そもそも、サービスは1982年から始まっていたということだし、正直当時は今よりも色々とゆるい時代であった。法令遵守なんていう言葉も多分あったのだろうけど、大きく取り上げられることはなかった。それから40年、確かに、みんなが法律を守るようになったことで救われたこともたくさんあるし、大企業などが、裏で悪い人と結託してといったことは今でも想像もできない世の中になったことは素晴らしいことだと思う。

でも一方で、世の中の中心から少し横にある余裕のある空間みたいなものが全部取り払われていくことは悲しいし、逆に生きにくい世の中を生んでいるように思う。

そう言う意味で、今や大企業となった餃子の王将が、チェーン店にこのサービスを認めて(認めていたか分からないが少なくとも黙認)していたことを考えると、この社会にはまだまだ「まあ、ええやん」という精神が残っているのだと思う。

この記事をみて、ほとんどの人も「まあ、ええやん」と思っていると思う。

もちろん法律やルールは大切であるが、みんなが「まあ、ええやん」と思っていることを素直に実現できる社会がこれからも続いてほしいと思う

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