テストできない「１１９番通報」のエラー

２週間ほど前、街中を歩いていたら、目の前で突然高齢の女性（おばあちゃん）が倒れて、妻と2人で駆け寄って介抱したことがあった。

近所のお店の人が水を持ってきてくれて、通りかかった看護師さんもわざわざ自転車を止め一緒に手伝ってくれ、救急車を呼んでことなきを得たのだけど、どうしても心残りなことがあった。

それは、ぼくのiPhoneから、１１９番通報の電話が掛からなかったことだ。

救急車を呼ぼうとしても「大丈夫よ」とおばあちゃんは小さな声で繰り返していたのだけど、あきらかに意識が朦朧としていて、熱中症の疑いがあったので、看護師さんと相談して「呼びましょう」となったのだけど、ぼくが颯爽と取り出したiPhoneで１１９番を押してもつながらなかったのだ。

滅多にないことなので、焦っているのかなと自分でも思っていたのだけど、何度番号を確認してやってもダメ。

しかたないので、奥さんに「電話貸して」と話していたら、看護師さんが「私がかけます」と電話してくれて結局ぼくのiPhoneは活躍できなかった。

おばあちゃんは無事に救急車で運ばれたのだけど、帰り道どうしてもそれが心残りで、「今回は良かったけど本当に自分の家が家事の時とかはどうなるのだろう」と不安になってしまった。それに警察にも掛からなかったらと心配は募るばかりだ。

ところが、どうしようもないのである。

だって、テストでもう一度１１９番を押すわけにはいかない。

もしかかってしまったら、このコロナで大忙しの消防・救急に迷惑をかけてしまうのだから。

しかも、こんなエラー、滅多にないことだし他に誰も気づくことはないだろう。と諦め、モヤモヤした日々を送っていたところ。

なんと、ウェブニュースに記事が出ているではないか。

「iPhoneのデュアルSIM利用で緊急通報できない事象」が判明、携帯4社とIIJが注意呼びかけ

どうやらデュアルシムの携帯の場合、１１９番がかからないエラーが出ているそうだ。

改善方法も書かれているし、そもそも、ここまで記事になれば、きっとアップル側も修正してくれるだろうと思う。

それにしても、もし自分１人で、緊急通報をしないといけない場合にかからなかったらパニックになっていただろうから、今回おばあちゃんを助けたおかげでわかったのは、結果的によかったことだと思う。

やっぱり、人助けをするといいことがあるな、と改めて思った。