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報道への意見

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うしをいが報道に対して書いた記事をまとめています。
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#メディア

「菅総理辞任」に喜ぶ人が知るべき「耳の痛い真実」

菅総理が自民党の総裁選に立候補せず、辞任する意向を固めた。 このニュースを聞いて「ダメな首相がいなくなれば、日本がより良い方向に進む」と喜んでいる人がいるとしたら、それは大きな間違いだ。 もちろん管政権にはたくさんの課題があった。特に首相の情報発信力の低さのために、さまざまな誤解や国民への動揺が広がったことは確かだ。 日本の問題は「仕組」にあるだがそもそも、例えば今わたしたちが一番フラストレーションを持つコロナにまつわる問題をはじめ、日本が抱える多くの課題の原因は、首相

月刊誌Wedge(ウェッジ)を読むべき3つの理由

最近月刊誌のWedge(ウェッジ)を定期購読するようになった。 これまでも、ネットの記事はよく見ていて、他のメディアと違った視点が面白いと感じていたのだけど、定期購読してみて、本当のこの雑誌の素晴らしさに気づいた。 そこで今回は、このWedge(ウェッジ)の良いところを簡潔に3つあげておきたい。 1 視点が深い通常のメディアの記事よりも、その背景を深掘りし、その事実が発生した歴史的経緯などにも焦点を当てたり、まだ通常のメディアが発信していない情報を特集したりしてくれる。

「開会式視聴率56.4%」が示すこと

メディアが色々騒いでも、結果でわかることがある。オリンピックの開会式の視聴率56.4%がまさにそうだと思う。 オリンピックに反対しているのに、開会式を見る人はほとんどいないだろう。そう考えれば、人口の半分以上の人は、オリンピックを見たい人だ。 「世論調査」とか「世間」が「みんな反対している」といった、いったい誰を代表しているのかよくわからない意見が、新聞、テレビ、ネットで溢れていたけど、結局はこれが真実だと思う。 そして、反対していたからと言って、応援するのがダメだとは

「開催するなら早く言え」に一つだけいいたい

あまり批判的な話は書きたくないのだけど、どうしてもこれだけは残しておきたい。 東京五輪が開催されることになって「開催するつもりだったのなら、もっと早く開催しますと言うべき!」とテレビのコメンテーターがよく言っているのをみる。でもそもそも、この春に森会長が 「どんな形であれ開催はする」 と言った時に 「開催が前提であることがおかしい、何よりも命が大事。状況を見て判断すべき」 とメディアは猛批判をしていた。そしてその事実を今報じているメディアはない。政府の見解は、春から

ワクチン接種が「遅れてもいい」2つの理由

世界の他の先進国と比較して、日本のワクチン接種は遅れているらしい。今日のニュースでは、全世界で1億人に接種がされたとの報道もあり、全く始まらない日本の状況に少し焦る気持ちもわかる。 でも、冷静に考えると、日本はワクチン接種が遅れてもいい2つの理由があると思う。 日本の特殊な状況まず1つ目は、日本はコロナの死者が圧倒的に少ないということ。 もちろん、日本でもコロナにかかってお亡くなりになったり、営業が成り立たなくなり大変な思いをしている人がたくさんいることは理解している。

森会長は「女性蔑視」ではなく「メディア蔑視」なのだと思う

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が、女性蔑視ととれる発言をして、世界中のメディアから批判されている。でも、ぼくはそこまで批判する気になれない。 心から女性を蔑視しているのかというのも、ぼくは、森会長がどこまで本気で女性を蔑視していたのか正直わからないからだ。はたして、心の奥底から、女性を下に見ているのだろうか。ぼくは、軽口を叩いただけのように思うのだ。 もちろん、影響力を持つ立場上、本心でなくてもそんなことを言ってはいけないのはわかるのだけど、女性もたく

GoTo「私は止めろと言っていた」は誰でも言える

先日、久しぶりの在宅勤務でお昼ご飯の時間だけ少しワイドショーを見ていたのだけど、相変わらずGoToトラベルのことが話題に上がっていた。 その中で気になったのが、感染者数が増えることに対するコメンテーターの 「だから私は1月前から止めろと言っていた」 という発言。もちろんテレビで言ってたことなので記録もあり、本当なんだと思うし、確かに1ヶ月前にGoToを止めていたら、もう少しマシな状況になっていたのかもしれない。じゃあ、なにが気になるのかというと この人は止めた時の影響

「ディープフェイク技術」がもたらす2つの利点

動画の顔を別人に置き換えてしまうディープフェイクの技術が広がっている。この技術を使えば、勝手に政治家の会見映像なんかを作り出すことすら可能で、社会に大きな混乱をもたらす可能性が取り沙汰されている。 ディープフェイクがもたらす利点でもぼくは、このディープフェイク技術の発展を止めることは残念ながらできないだろうし、不本意なこともあるが、結果として2つの良いことが起きると確信している。 その2つとは (1)リベンジポルノの流出被害が緩和される (2)メディアの役割が拡大する

共同通信に「権力の監視」を頼んだ覚えはない

共同通信の記者で政権の批判を繰り広げていた人が、政権の要職に就任したことが物議を醸している。でもぼくは、就任した事実より、そのことに対する共同通信のコメントに強い違和感を感じる。 コメントは次のとおり。 この人事によって共同通信が権力監視を緩めることは、あり得ません。これからも時の政権に対して適切な距離を保ちながら、真相に迫る取材をしていきます。 ぼくが違和感を感じるのは「共同通信が権力監視」をしているという部分である。 そもそも共同通信は、誰に頼まれたのだろう。

安倍首相に「お疲れさま」と言いたい理由

安倍首相が辞意を表明した。たくさんの批判や非難があるようだが、ぼくは素直に「お疲れ様」と言いたい。こんなことを書くと、驚かれる(そして引かれる)かもしれない。でも、ぼくはそもそも、安倍首相に限らず、基本的に「時の首相」を応援するようにしている。 時の首相を応援これまで、福田さんも、麻生さんも、菅さんも、野田さんも、鳩山さん(はさすがに最後の方は応援していなかったけど)も、演説を見に行ったりするわけではないけれど、テレビの前で応援をしていた。特に政党や信条は関係ない。メディア

申告漏れ記事のカラクリ

ソフトバンクグループが、400億円の申告漏れを指摘されたという記事が掲載されていた。「とんでもない」、「悪いことだ」と感じている人に、昔ぼくがある企業経営者に教えてもらった申告漏れの記事のカラクリを伝えたいと思う。 公表までの流れある日、とある新聞の経済記事の担当記者が大手企業の広報担当に電話をかける。 「今年の国の税務調査で、申告漏れを指摘されたと聞きましたが詳細を教えてもらえますか」 電話を受けた真面目な広報担当が急いで財務担当に確認を取ったところ、事実であることが