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報道への意見

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うしをいが報道に対して書いた記事をまとめています。
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#ニュース

ロシアのウクライナ侵略で、もはや「国際情勢マニア」の知識は無意味となった

先日、妻に「プーチンは本当に核を使うのかな」という質問をされ、長い時間考え込んでしまった。以前の僕なら間違いなく「あり得ない」と言っていたところだが、今はもう何が起こるかわからない。 ここ数年の予期不可能な国際情勢の中、ぼくらのような少し変わった「マニア」の知識がほとんど無意味になったと感じた瞬間だった。 「国際情勢マニア」とはスポーツや音楽、車などなど、いろいろなマニアがいる中で、ちょっとインテリぶることができるのが、一般の人より国際情勢に詳しい「国際情勢マニア」だと思

ウクライナは、日本と全く同じ状況だ

ロシアのウクライナ侵攻について「国際秩序を揺るがす恐ろしい出来事が起こっている」いうことは理解している。ただし、どうしても距離的に遠いこともあって、多くの日本人のその危機感は、ヨーロッパの人たちとは違っていると思う。 しかし、よくよく考えてみると、日本はウクライナと全く同じ状況なのかもしれない。 ロシアに、国土の一部を実効支配されていると言う点において。 ロシアは約75年前に北方領土を占領した。第二次世界大戦直後のことで、今と日本もロシアも置かれている状況は全く違うけど

「菅総理辞任」に喜ぶ人が知るべき「耳の痛い真実」

菅総理が自民党の総裁選に立候補せず、辞任する意向を固めた。 このニュースを聞いて「ダメな首相がいなくなれば、日本がより良い方向に進む」と喜んでいる人がいるとしたら、それは大きな間違いだ。 もちろん管政権にはたくさんの課題があった。特に首相の情報発信力の低さのために、さまざまな誤解や国民への動揺が広がったことは確かだ。 日本の問題は「仕組」にあるだがそもそも、例えば今わたしたちが一番フラストレーションを持つコロナにまつわる問題をはじめ、日本が抱える多くの課題の原因は、首相

「コロナを拒む若者」はメディアが作った虚像

最近かなり減ったけど、一時期「若者はワクチンを受けたがっていない」とか「SNSで見た間違った情報を信じている」とかいうことが盛んに報じられていた。 でもこの話、ほとんどはメディアが作った虚像だと思う。 少なくとも、ぼくの周りの20代で、「ワクチンが不妊につながる(嘘情報)」とか「マイクロチップが入っている(嘘情報)」といったことを信じている人はいない。 知り合いの美容師さんはたくさんの大学生の散髪を担当しているけど、ほとんどが大学で接種しているか、接種したいけれど予約が

「ファイザーワクチン」って未承認だったのね

「ファイザー ワクチン承認へ」の記事を見た時、「あれ、また新しいワクチンを開発したの?」と思ってしまった。 もちろん実際は違っていて、今まさに日本人が打っているワクチンが、まだ正式承認されてなかったのだ。 人間の記憶というものは頼りないものだ。 おそらく、昨年末から2月くらいにかけて「未承認だけど急いで緊急承認して打ちましょう」という話を、何度も新聞で読んだり、テレビで見ていたはずなのに。 そもそも、自分の体に打つものについて、承認されていないかどうかも覚えていないな

アフガン支援「全て無駄になった」は間違いだ

アフガニスタンの政権をタリバンが掌握したことで「この20年の支援は無駄だった」という論調が強まっている。 でも、冷静に考えてみてほしい。決して全てが無駄だったわけではない。 中村哲さんが作った用水路は、これからも農地を潤し、そこでできた作物はアフガニスタンの国民を豊かにするはずだ。 日本政府が支援してできた学校や道路などのインフラだって、これからも現地で生きる人々のための役に立つはずだ。 そして何より、アフガニスタンの人にとって、軍隊以外の方法で支援していた「日本」へ

戦後20年で「五輪開催の日本」と「政権崩壊のアフガン」明暗分けた理由

アフガニスタンの民主政権が崩壊した。メディア、専門家、情報機関のいずれの予想も遥かに上回るスピードで(今となっては元)反政府勢力のタリバンが全土を制圧した。 そのニュースの中で、アメリカがタリバン政権を倒して民主国家を建国して「20年」という説明があった。つまり、戦争が終わって20年も経ったというのに元の状態に戻ってしまったのだ。 20年という歳月この20年という年月。同じ、アメリカにより民主化された日本について考えてみると、日本は民主化されて約20年後に東京オリンピック

「朝日新聞の記事」を読まない理由

今日、アエラドットから配信された、ワクチン予約システムの「重大欠陥」の記事を読んで、ぼくが「朝日新聞の記事を読まない理由」がさらに補強された。 そもそも、生まれ育った家は、朝日新聞をとっていた。週刊誌のAERAも毎週のように親が買っていて、よく見ていた。 だから、子供の頃から朝日新聞の記事を読んでいて、なんの根拠もないけれど「朝日は取材がしっかりしている」となんとなく思っていた。「新聞の中では一番」とある種のブランドのようなものすら感じていた。 でも、今は読まない。

「移動データ分析」駆使した日経新聞の記事がちょっと怖い

半導体製造大手のルネサスエレクトロニクス工場で発生した火災復旧に関して、日経新聞の記事に驚いた。 復旧にあたって自動車メーカーからの応援状況について、各メーカーへのヒアリングではなく、auの携帯電話移動データ分析をしていたのである。 もちろん、これまでのニュースでも、コロナの人出に関して「都心部の人出が○%増えた」といったものはあったけど、今回はもう少し踏み込んでいる。 (1)応援対応した日数 (2)応援者の自宅 が、分析されていたのである。 (1)応援対応した日数

ネタ祭りの政見放送をニュースにするのは「思うツボ」、やめさせるには「○○する」しかない

最近政見放送が「ネタ祭状態」になっているらしい。苦言を呈したたくさんのニュースが記事になっているが、それでは相手の思うツボである。そもそも、話題にして欲しくてやっているのだから。 だから、これをやめさせる方法はただ一つ。 「無視する」ことである。 ニュースにするから「祭り」を始めるのだ。観客のいない祭ほどつまらないものはない。無視が当たり前になれば、沈静化する。 だから、メディアはニュースにはすべきでない。そしてぼくたち読者も記事を見たらクリックすべきではないと思う。

ワクチン接種が「遅れてもいい」2つの理由

世界の他の先進国と比較して、日本のワクチン接種は遅れているらしい。今日のニュースでは、全世界で1億人に接種がされたとの報道もあり、全く始まらない日本の状況に少し焦る気持ちもわかる。 でも、冷静に考えると、日本はワクチン接種が遅れてもいい2つの理由があると思う。 日本の特殊な状況まず1つ目は、日本はコロナの死者が圧倒的に少ないということ。 もちろん、日本でもコロナにかかってお亡くなりになったり、営業が成り立たなくなり大変な思いをしている人がたくさんいることは理解している。

森会長は「女性蔑視」ではなく「メディア蔑視」なのだと思う

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が、女性蔑視ととれる発言をして、世界中のメディアから批判されている。でも、ぼくはそこまで批判する気になれない。 心から女性を蔑視しているのかというのも、ぼくは、森会長がどこまで本気で女性を蔑視していたのか正直わからないからだ。はたして、心の奥底から、女性を下に見ているのだろうか。ぼくは、軽口を叩いただけのように思うのだ。 もちろん、影響力を持つ立場上、本心でなくてもそんなことを言ってはいけないのはわかるのだけど、女性もたく

「うまくいっているニュース」をもう少し報じて欲しい

この一年くらい、コロナのせいでずっと「うまくいかなかった」ニュースばかりがニュースを占めていて、みんな嫌気がさしていると思う。 感染者指数が増えると  → 「感染者が過去最大を記録」 感染者が減り出しても  → 「死者は最大記録」 などなど。とにかく、視聴者を油断をさせないように「まだまだ危ないですよ」というニュースをずっと流し続けている。 もちろんそれもメディアの大切な役割なので、否定はしない。 でも、ネガティブなニュースばかり1年も続くと参ってしまう。 コロナ