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知っておきたい心肺蘇生法シリーズ 第10回:よく聞く質問Q&A!

こんにちは!

長い事続きました心肺蘇生法シリーズ、今回の第10回で、ひとまず一区切りとなります!今回は、講習会場でよく聞くQ&Aについて、いくつかご紹介します。

実際には、もっといろんな、もっとコアな質問が飛ぶこともあります。そういったものについても、コメントなどでお寄せいただければ、可能な限りお答えしますので、どしどしお寄せいただければと思います。私にも、この記事を見ている多くに人にとっても、素晴らしい学びの場となりますので、どうかよろしくお願いいたします♪(^^)


(※もし、今回初めてこの記事を見られた方がおられましたら、どうかぜひこの心肺蘇生シリーズは、初回から通しで見ていただけると嬉しいです!)

※先に掲示用JPGのデータを貼っておきますので、
 PCやタブレットなどで大きな画像を見れるという方は、
 こちらをご覧ください。

 スマホなどでJPGが見にくい人は、下の記事本文の方を
 ご覧ください。内容は全く一緒です。

 そして最後に、印刷用のPDFを付けておきます。
 園や公民館などで掲示する際は、ご使用いただけると
 幸いです(^^)

 それではスタート!

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知っておきたい心肺蘇生法シリーズ

第10回:よく聞く質問Q&A!

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ここから下は、上のJPGデータとまったく同じことが書いてあるだけです。画面がちいさいスマホなどでにコラムが見にくい場合は、ここから下のテキストでご覧ください(^^)
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Q1:心肺蘇生法の“やめどき”は?

 A1:原則的に、救急隊と明確に引継ぎをする瞬間まで、やめてはダメです。ただし、胸骨圧迫中に、患者の自己心拍が戻り、意識が回復するケースがあります。この場合、胸骨圧迫を明らかに嫌がるような反応(のけ反ろうとする、手をどけようとする、圧迫に対してうめく・・・等)があります。その場合は一時中断し、患者の様子を観察し、呼吸が回復しているかどうかを確認します。
呼吸が回復していれば、楽な姿勢を取らせます。基本は、回復体位が望ましいですが、こだわりすぎる必要はありません。嘔吐するケースも多いので、顔は可能な限り横向きが望ましいです。
ただし、すぐにまた呼吸が途絶える場合がありますので、注意深く観察し続けてください。

回復体位

Q2:心停止の目安「普段通りでない呼吸」は、心停止以外の場合には起こらないの?

A2:あります。例えば脳卒中であったり、泥酔・薬物中毒・てんかん・失神・低血糖…等、心停止以外でも「普段通りでない呼吸」が見られる場合があります。ただし、この場合であっても、「普段通りでない呼吸」が見られれば、心肺蘇生法を開始してOKです。もし心停止でなかった場合、Q1のように、胸骨圧迫を嫌がる反応が出るはずですので、その反応を見てから、中断するようにしてください。

Q3:心停止ではない人に対して、胸骨圧迫を行ったがために、重大な障害が起こることはないの?

 A3:救急隊が来るまでの短時間であれば、過去の調査上、ほぼ問題ない事が分かっています。行わない方の不利益の方がはるかに大きいので、心肺蘇生の対象となるような様態の場合には、恐れず実施することが重要です。


Q4:脈拍って、本当に見なくてよいの?

 A4:昔の心肺蘇生法のやり方では、一般市民においても、脈の確認を行っていましたが、現在は、一般市民向けのやり方では完全に省略されています。これは、脈の確認ということ自体が、熟練者でも非常に難しいということに由来します。なお、医療従事者などの熟練者向けの方法では、脈の確認を実施します。ただし、この場合であっても、脈が良くわからない場合も多いです。そうなると、結局のところ脈なしに準じて、次のステップに進むこととなります。そう考えると、結果としては、あまり違いはないかもしれませんね。

Q5:反応はないが、普段通りの呼吸がある場合は?

A5:この場合は、楽な姿勢を取らせてあげて、救急車の到着を待ちます。可能であれば、Q1で紹介したような、回復体位が望ましいですが、こだわりすぎる必要なありません。ちなみに、回復体位の優れたところは、仰向けに比べ、気道が開きやすく呼吸がしやすくなる点と、嘔吐したとしても横向きのため、気道を塞ぎにくいという点が挙げられます。心停止以外の体調不良時にも応用がきく体位なので、覚えておいて損はないと言えるかと思います。

Q6:胸骨圧迫に伴う疲労の影響は?

 A6:実は、如実に影響します。圧迫の深さだけでなく、戻しが不十分になったり、テンポが不安定になったりします。一般市民の方では、おおよそ40秒から1分程度で、疲労の影響が出始めます。また、人工呼吸ありの胸骨圧迫に比べ、人工呼吸なしの胸骨圧迫で、疲労の影響がより顕著に表れます。そういった事から、やはり現場では一人でも人数を多く集め、1分~2分程度で交代しながらの実施が、望ましいと言えます。


Q7:AEDのパッドを貼る際、公衆の面前で胸をはだけさせてもよいか?

 A7:事実として、このような女性患者に対する心理的バイアスは仕方がない事かと思います。男女別のAED被使用率の統計でも、中学生ぐらいまではあまり差がない一方、高校生以上では明らかな差が出ます。理解してほしいのは、パッドを貼る際は、必ずしも完全に脱がさなくともよいケースがほとんどだということです。参考までに、東京都保健福祉局の資料を掲載しておきます。

東京都保健福祉局の資料

一時期ネットを中心に「セクハラになるからできない!」なんてことを叫んだ人達がいたみたいですが・・・そんな人は結局、男だろうが女だろうが、助けない人のように思われます。(※結局、ネットのデマだったようですが)基本的に、一般市民が救命のために行った行為であれば、民事であろうが刑事であろうが免責されると、厚生労働省は明確に打ち出しています。このコラムをわざわざ見ていただいているような、志のある方には・・・ぜひとも、女性であっても躊躇せずに、救命していただければと思います。


※心肺蘇生法シリーズは、この回をもって一区切りとさせていただきます。分かりにくいところもあったかと思います、ご意見やご質問、もっと知りたいことなどがあれば、お寄せいただけると幸いです。可能な限り対応いたします!(^^)

文: 防災士

  応急手当普及員 牛尾崇彦



・・・おわり



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いつもは、子どもにまつわる防災&応急手当に関する記事を、月1(+臨時で不定期)で書いています!どれも、忙しいパパ・ママ向けの、サラッとライトな内容なので、ぜひ一緒に見ていってもらえると嬉しいです(^^)下に、過去の記事をマガジン形式で纏めましたので、ぜひご覧ください!

また、私の日々思っていることや、好きなことなど、私がどんなやつなのか、どんな考えをもっているやつなのかが分かりやすい記事については、下の【ただのつぶやき】シリーズが、わかりやすいかもしれません。少しでも「パパ防災士:牛尾崇彦」個人に興味を持たれた方は、覗いていただけると嬉しいです!

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