33『今日も、通勤電車で。』
雨が続く水曜日。
どことなく静かで、ちょっと寒い。
さすがに昨日よりも持ち傘の保有率が高くて、ビニール傘もちらほら見かける。
頭からずぶ濡れの人が乗ってきたけど、服は濡れてないからお風呂上がりのまま、急いで来たのかもしれない。
風邪、ひかないように。
それから、今乗ってきた人のカバンの中からお弁当の匂いがする。作りたてかな。唐揚げとかの匂い。おいしそう。
水曜日の気分のあげかたをそれぞれみんな、持っているのかもしれない。
私は今日もいつも通り。何も変わらずに同じ電車に乗っているけど、立つ場所はちょっとだけ違う。
開かないほうの扉の端っこ。
晴れない日の窓側は、なかなか好きだったりする。眩しくないし、外の景色に触れられる。
人が増えて曇ってきたけど。
前のお姉さん、黒いレジャージャケットっぽいのに、曇った窓ガラスに体を預けてる。まあ、仕方ないとはいえ、本人も気にしてらっしゃらないからいいか。
こういう格好が似合うっていいな。
オシャレな人を見ると、オシャレっていいなって思う。
だけど、化粧品とか、ブランドに興味がないから、つり革付近で本を読んでいる人の本のタイトルや内容を知りたい好奇心のほうが強いところが、もう、私を表してると思う。
昨日、本屋に寄るの忘れてた。
たぶん、今日あたりから残業祭りになると思うし、きっと寄れない。
年度末、みんな忙しい。
私も頑張って乗りきってみせるよ。
自分なりのテンションのあげかたを見つけながら。