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【イベント】コロナ禍の対面式イベント実体験&考察

 先日、コロナが流行ってから初めて対面式イベントに出展してきたので、その個人的な感想をメモしたいと思います。なお、ここでの意見は私個人の感想で、イベントや個人を非難するものではありません。

 コロナが流行ってから、自分もかかりたくないし、他人にうつしたくもないとのことで、対面式のリアルイベントは避けてきた。今まで参加してきた様々なイベントはオンライン化が進んで、ネットで開催されるようになった。ネットイベントはどこからでも簡単にアクセスできるので、講演とかを聞く分にはすごく便利だ。交通費もかからないし、コミュ障の人は直接話さなくても匿名でコメントをすることができる。

 しかし、グッズを値踏みしながら買い歩きたい人にとっては、ネットイベントはイマイチわくわく感に欠けてしまうのではないだろうか。ネットだと画像を見てどんなグッズなのか、大きさや触り心地、見えないアングルは想像するしかない。私は同人誌をメインで出展しているのだが、リアルイベントではちょくちょく売れるのだが、ネットイベントだと全く売れないという事態に陥っている。

 何故か。リアルイベントではブースに並んでいる薄い本を直接手に取ってすべてのページに目を通して、買うかどうかを決めることができる。しかし、ネットだと全ページを載せる訳にはいかなくて(全ページを載せたらタダで公開しているのと変わらないから)、数ページしかサンプルとして載せることはできない。そうなると、内容全体を見て悩んでもらうことができないのだ。現場で見て決めるというのができないのだ。

 これは例えば、フィギアなど立体作品もそうだろう。現場で見て決めるという行為は購入するかどうかの重要なファクターだ。

 またネットだとページをめくる手間がかかるので、同じショッピングをするにしても、歩きながら見て回るという感覚とは少し違う。歩きながら見て回ると予期せぬ性癖に刺さる商品と出会ったりするものだが、ネットでは好きな作家のページしか見なかったりするので、そういう出会いが起こりにくい。

 そういうこともあって、私はイベントは基本的に対面式の方が好きである。ワイワイしている雰囲気も臨場感があっていいし。かつてのリアルイベントは、現在、コロナ禍では一体どんな感じになっているのだろうか? 流行ってから一年経った今、ふと疑問に思った。

 そんな折、いつも出展していたイベントが対面式のイベントをやるというので、怖がりながらも参加してみた。

 場所は大阪。東京に次いで感染者が多い都市だ。いつもは東京でイベントをやっていたのを大阪に移したのは、東京よりも感染者が出るリスクが少ないかつ集客が期待できるという点であろう。


 イベント当日、いつものようにイベント会場に足を運ぶ。会場をパッと見た感想は出展者数が少ないということだった。抽選とのことだったが、そもそも出展者が少なかったと思われる。

 会場に入ると、消毒して、コロナ患者が出た場合の連絡先を書く。これは良い点だ。

 ブースに到着すると、ちょっとビックリした。机1つを二人の出展者で半分半分に使うよくある形式なのだが、対接客用のアクリルパテーションが1つしかなく、思っていたより小さい。どう見ても一人用。机の真ん中に置かれていたが、2つのブースに跨っては邪魔になるし、ブース全体を覆えなけらばほぼ無意味だ。イベント側はケチらずにパテーションを出展者の数だけちゃんと用意するべきだと思った。案の定、パテーションを飛沫防御に使っている出展者はほぼいなかった。それどころか、チラシを貼っている人さえいた。これは出展者の意識の低さが出ていて悪い点だ。私は自分でパテーションを作る準備をしてきたので、用意されていたアクリルパテーションは隣のブースの人にあげた。

 こちらは私が作ったブースだ。卓上のT字スタンドを両サイドに置いて、透明ビニールシートを垂らした、スーパーのレジとかがしている形式のコロナ対策だ。透明ビニールシートは折り畳める点で、アクリル板より持ち運びに便利で有益だ。

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 マスクをするのは今や常識だが、その上でフェイスガードをするか、シートを張るかを考えた時、フェイスガードはほぼ無意味だとニュースでやっていたので、シートを張る方が有益だ。座っている時はこれで十分いいのだが、立つと頭が出てしまいシートが低かったという点が今回の失敗だった。

 1つの机を知らない出展者同士でシェアするのは良くない点だ。相手が感染者かもしれないし、逆に自分が感染者だった場合、隣の人にうつしてしまう可能性が高くなる。出展者が座る椅子の距離も1mないくらいで、安全ではない。イベント側は机を個別にするべきである。

 会場に出展者が続々と集まり、リアルイベントに活気が出る。マスクをしていること以外、まるでコロナなんてなかったかのような雰囲気だった。ワイワイした雰囲気は何だか懐かしい気分にさせられてワクワク感が出てくるのだが、これは怖い点である。緩んでいると思った。久々、もしくは初めて会う出展者との会話は楽しいものである。しかし、それは現代において高リスクであることを覚悟しておかなければならない。マスクをしていると言えど、至近距離で話せば感染リスクは高くなる。おしゃべり好きな海外で感染者が減らないことを考えれば、理由はわかるだろう。出展者同士のおしゃべりも控えるべきだと思った。私はそう思って、あまり隣の人と会話しないように心掛けていたが・・・時間が経つとともにその気持ちも緩くなってしまうのを実感した。難しいものだ。

 私は積極的に話しかけて集客せず、買いたいと申し出てくれた人だけ対応するように努めた。お金の受け渡しも極力直接手が触れ合わないようにし、受け渡しをしたあとは自分で持ってきたアルコール消毒液でこまめに消毒した。案の定、いつもより売り上げは悪かった。しかし、コロナになるよりかはマシである。

 自分の物とは別に、客用の消毒液も商品と一緒に置いていたのだが、使う人はほぼゼロだった。客は物を買う前に極力消毒して欲しい。たぶん、自分が感染者かもしれないという意識がないのだと思う。だから出展者は自衛しなければならない。

 自分のグッズが売れるのは嬉しい。この感覚を久々に思い出した。しかし、客は人数制限されているので少ない。こうなると衝動でまとめ買いしてくれる未知の客と出会う確率も少なくなる。感染するリスクと売り上げを天秤にかけた時、有名じゃないサークルは赤字になる可能性もあるので、まだリアルイベントは時期早々かもしれない。私も今回赤字だったので、楽しいのは楽しいのだが、ワクチンを打って安全になるまでリアルイベントは控えた方が良さそうだと感じた。

 イベントではプレゼンを行う企画があり、参加してきたのだが、発表会場に消毒液は置かれていなかった。マイクを次の人に渡す前に消毒するのが理想的なのだが、イベント側はそこまではおそらく意識が回っていなかったのだと思う。

 イベントでは取材が入ることがあった。取材はその特性上、かなり近くに寄ってマイクを当てられたり、話し掛けられたりし、不特定多数の人に同様のことをするので特に危険である。自分のグッズをアピールできるのは楽しいので、つい忘れがちになるのだが、こまめに消毒して自衛しなければならないと感じた。

 リアルイベントはとても楽しいが、イベント側も出展者側も客も楽しさの中で、コロナ対策を忘れる緩みが出てしまうことが今回の参加でよくわかった。これを書いている今のところは体調は悪くない。しかし、イベントで感染したかどうかはわからないので、少なくとも2週間は自分の体調に気を配らなければならない。

 なお、今回私が参加したイベントの雰囲気は以下で見ることができる。イベント自体は楽しい、厄介なのはコロナだ。



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