見出し画像

フィリピンカカオ豆でチョコレートをつくった話

時々、急にチョコレートを作ります。

私が作るのはいつも、シンプルでフレッシュなもの。自分と、周りの人に食べてもらう程度。いつも気まぐれチョコレート。

ガラガラと、しまってあったカカオ豆を出してきて計量して、オーブントースターで加熱。皮をむいたら、家庭用のミルでほかの材料と一緒にすりつぶす。型に入れて、冷蔵庫で冷やして、固まったら完成!

テンパリングはしていない。

メランジャーもつかってない。

口に入れた瞬間にさらりと流れて消えるさっぱり感と、きっとカカオの香りや味をダイレクトに味わっているようなクリアな味が気に入っている。
・・・といえば通のようだが、単純に難しそうだから近づけずにいる領域なのだ。きっと、今年中には、まずテンパリングに挑戦することになりそうだ。

さて、今回の材料はこちら。

<材料>
カカオ豆…100g ※生・ハスク付き
砂糖…40g キビ砂糖
カカオバター…30g
全粉乳…30g

砂糖以外は、たいじゅ君にわけてもらったものたち。いつもは、カカオ豆と砂糖だけで作るから、砂糖を溶かしきるのに限界があった。モッタリして重たくなってきて、液体から遠のいていくのだ。

それが、今回はカカオバターを入れてみたら、いろいろな混ぜ物の許容量が増えたしさらさらしている。砂糖多め、全粉乳もたくさん入れてみた。扱いやすい、とはこういうことなのか。

画像1

<作り方>
①カカオ豆をチェック
②計量してトースターでチン
③粗熱が覚めたら、皮(ハスク)を剥く
④ミルですりつぶす
⑤型に入れて、冷蔵庫で冷やし固めたら完成!

①カカオ豆を、一応チェックする。

はじめにちょっとだけ、カカオが育ち、発酵し、乾燥される環境を想像してもらいたいのです。

いろいろな生き物と一緒に森の中でできているものだから、いろんなものが混ざっていても不思議ではない。本で読んだのは、砂や石、鳥の羽、ほかの生き物の毛などが入っていることもあるらしい。今のところ、私はまだ発見したことはない。もし発見したら、それは取り除けばOK。

一応、焼く前のカカオ豆を手に取って観察するようにしている。香りもかいで、ツンとしたきついにおいだったら、逆に焼いたときにどんないい匂いに化けるのか、楽しみになったりしている。

②計量して、トースター。

<ロースト>
トースターで、110度 20分×2回

チョコレートの本では、カカオ豆に火を通す時に「焙炒(ばいしょう)」という言葉をよく使うけれど、動かしながら、時間をかけて、炒ることだと思う。私の場合は、象印のトースターに入れて、途中1回ガラガラっと動かすくらいなので、焙炒という言葉を使うのは合わないかなって思ってる。

途中で、爪で押して、パリッとしていたらOK、ということにしている。

カカオ豆を焼く工程は、いろんな意味で重要。

一つ目は、チョコレートの、あの香りはローストしないと出てこないから。発酵過程で準備してきた香りのもと「香気前駆体」は、加熱することではじめてチョコレート香味物質に変化するのだ。逆に言えば、ここまでやらないと材料としてのカカオの良し悪しは、判断するのが難しい。

そして二つ目は、ローストして初めて、カカオが安全なものになるから。
開放状態で乾燥されたカカオ豆は、サルモネラなどの微生物に汚染されていることが多く、それらを死滅させて安全な状態にするのがこのローストなのだ。多くのチョコレート工場では、ロースト前のカカオ豆の処理を別の建物でやるくらい、慎重にわけて管理しているのだそう。

③粗熱が覚めたら、皮(ハスク)を剥く

トースターから出したばかりは、熱々。
やけどするから、冷めてから皮むきします。

甘栗を剥くときみたいに、最初に親指の爪で割れ目を作って、そこから剝いていきます。ローストしたことで、皮と中身の間に隙間ができて、皮もパリパリになるので剥きやすくなってます。この時に、爪に皮が刺さると結構痛いのできをつけて!

皮は、カカオハスクといいます。
こちら、お茶を入れる要領で、大さじ1杯のカカオハスクに、熱湯200mlくらいそそぐと、結構おいしいカカオティーができます。チョコレートの香りと、すこしのうまみ。渋みや苦みはありません。しかも、ノンカフェインらしいので、カフェインを控えているひとにも喜ばれます。

④ミルですりつぶす

ここから先の工程でつかうのは、「newよめっこさん」という家庭用のミルにお任せです。

家庭用の様々なミルの中でも、このよめっこさんはモーターが強いらしくって、焼き付いたりせずに使えます。すりつぶしつつ、モーターの熱も加わるため、なんだか程よくチョコレートができてしまうのです・・・。

カカオ豆をすりつぶしていたら、パウダーになって、カカオバターが解け始め、いずれドロドロになります!そしたら、砂糖を入れて、さらに好みのなめらかになるまで、ひたすらによめっこさんを回します。

ただし、普段食べているチョコレートのようなとろける細かさの粒子にはたどり着けません。なので、ゴールは自分で決めて、ストップして大丈夫です。

⑤型に入れて、冷蔵庫で冷やし固めたら完成!

トロトロになっているチョコレートを、型(モールド)に流し入れます。
私はいつも、ちび板チョコが作れるシリコンモールドを使っています。

細いシリコンのへらをつかって、モールドに流し入れます。
そのあと、細かくトントンすれば空気が抜けていって表面がつやつやに。

冷蔵庫の平らなところにおいて、冷やし固めたら完成!

画像2



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?