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ちょっと不思議な話

神社やお寺に行くと、たまに不思議な体験をする事がある。
今日は思い立って「雷山千如寺大悲王院」へ。
紅葉の時期には、2時間待ちのお寺という知識がある程度で。
庭園をぼんやり眺められたらなぁと思い立った。

お寺に着く少し前から、涙が出そうだった。
その時の感情は、自分の中では非常に府に落ちているのだが。上手く説明ができない。

中に入ると庭園には、大きな楓の木があった。
きっと、私はこの木に会いに来たのだと思った。切なくてたまらないのだ。
心が震えて、涙がこぼれる。

旦那と娘は、そんな私をひとりにしてくれた。

亡き祖父が、幼い頃連れてきてくれていたのか。
それとも、私は誰かの変わりに会いに来たのか。
前世があるとするならば、前世で思い入れが深い土地なのか。

真相は、全く分からないけれど。
ただ切ない気持ちだけを気が済むまで感じた。

優しい姿の観音様を見た後で。
楓の木を色々な角度から見てみた。
今は、木の傍に行くことはできないけれど。

私はいつもこの木に触れていたのだと思う。
頭では、もちろんそんなことはないと考えているけれど。心がそう感じるのだから仕方ない。

不思議な体験をしたあとは。
いつも、夢を見ていたような感覚になる。

家族にも深く話す訳ではないけれど。
話す時は、夢物語として聞いてねと必ず前置きをする。

帰り際、娘に促されてようやく楓の木と離れた。
後ろ髪を引かれる思いで、お寺を出た。

娘のリクエストのかき氷屋に到着。
不思議な体験の事などすっかり忘れて、かき氷を堪能した。

きっと、楓の木に出会うのはこのタイミングがベストだったのだ。

どんな意味があるのかとか、真相を知りたいとも思わない。

あの楓の木は、きっと私にとっては特別で。
ただ切ないという気持ちだけを受け止めて。
それだけで、いいのだ。

今日も。素敵な1日だった。
本当に、ありがとう。

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