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ナイロビで出会った恩人 episode1

人生初めてのアフリカ大陸

ケニアの大地を飛行機から眺めながら、高鳴る鼓動。

小さい頃から憧れた大地に足を踏み入れる時が来た。


飛行機がおりたつナイロビの町は、日本では聞き馴染みがある

しかし、”地球の歩き方”を読むと

行くのが楽しみだった気持ちも急に恐怖にかわる

アフリカ三大凶悪都市。

夜のダウンタウンは死も隣り合わせ

盗難なんて当たり前で、運が悪ければ日本に帰ることすらできなくなる。

若干20歳、初めての一人旅。ツアーでもない。

アフリカでは、

「タクシーを絶対に使いなさい」

って場所と

「タクシーには絶対に乗ってはいけません」

って場所、両極端で、情報を一つ間違えたら犯罪に巻き込まれる。



まあでも心配しすぎても仕方ない。

発展途上国がどんなどころなのか一度見ておきたかった

一番の目的はケニアにあるマサイマラ国立保護区に行くこと。


ついにナイロビの、ジョモ・ケニヤッタ国際空港に着いた。

着いたのは真夜中。ただでさえ怖い情報がたくさん頭にちらつき足が震えた。

携帯もつながらない。今日泊まる宿も決めていない。知り合いなんてもちろんいない。”スワヒリ語”なんて知ってるはずがない

そりゃ多少はびびる。

飛行機からおり、預け荷物を待った。

まった。

待った。

「あれ?」

全然見当たらない。

周りを見渡した。

人はもうほとんどいない。

「は!?」

死んだ。手荷物にはパスポートとちょっとのお金くらい。

病気の薬も、マラリヤの薬も。もちろん服とか、日用品とか、ガイドブックとか全部入った荷物がなくなった。

よく言う、

ロスバゲージ

ヨーロッパならいいよ?アメリカならいいよ?

ここ凶悪都市ナイロビよ?

ちょっと泣きそうになった。

結局、飛行場をたらいまわしにされ…

荷物がその日出てくることはなかった。



ホテルなら予約できると飛行場の人がいってくれたが

お金もほとんどないの…

結局、わずかにつながるWi-Fiと、片言の英語で日本円で1000円くらいで泊まれる、安宿をなんとか発見。

タクシードライバーと交渉して向かった。


そしてめちゃくちゃ暗闇を抜けて宿に着いた。

そこの宿の兄ちゃんが親切な人だった。

「恩人」

初めて心から思えた人だったかもしれない。

このあと色々助けてもらうことに。

続く






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